方丈 (Hojo)
方丈(ほうじょう)は、1丈四方の面積を指す。
またその広さの部屋や建物の事で、「方」には四角形の意味(ex.方墳、正方形)が在り、「丈」の長さをもつ「方」ということ。
大きさ
1丈は約1.67間(=10/6間)であるため、1方丈は四畳半程度(四畳半の1辺は約1.5間)の広さである。
建物
方丈は簡単に構築でき、また簡単に解体する事ができたため、僧侶や隠遁者に愛用された。
鴨長明の『方丈記』は、方丈の庵で書かれたことによる題名である。
また、『維摩経』に書かれているように、維摩詰の方丈を訪れた文殊菩薩とその一行が、その狭い空間に全員収容できたという逸話から、仏教においては方丈に全宇宙が内在しているという考え方がされている。
そこから寺院の住職が生活する建物を、特に方丈と呼ぶようになった。
室町時代中期以降は仏像や祖師像が安置されるようになり、本堂の役割を担う建物とされた。