真言宗泉涌寺派 (Shingon sect Sennyu-ji School)
真言宗泉涌寺派(しんごんしゅうせんにゅうじは)は、日本における真言系仏教宗派のひとつで、古義真言宗に属する。
総本山は泉涌寺。
宗祖 俊芿(しゅんじょう)(月輪大師・かぢりんだいし)
歴史
真言宗泉涌寺派の歴史は、泉涌寺を密(天台・真言)・禅・律・浄の四宗兼学の道場として、俊芿が中興したことにより始まる。
それ以来、独自の宗風を保ち、また、泉涌寺は皇室の御陵所・香華寺とされて、皇室との関係が深かった。
明治時代に入ると、皇室からの保護が無くなり、財政的にも逼迫(ひっぱく)する状態となり衰微した。
また、政府の宗教政策から、1872年(明治5年)に四宗兼学が廃され、真言宗に属することとなった。
東寺の管下に入った時期もあったが、1907年(明治40年)には、真言宗古義八派聯合に際して、そのとき初めて泉涌寺派の派名を公称した。
太平洋戦争にともなう政府の宗教政策により、1941年(昭和16年)に古義・新義両派の真言宗各宗派が合同し、大真言宗に統合された。
戦後、大真言宗から独立し、1952年(昭和27年)9月30日に真言宗泉涌寺派として宗教法人認証。
10月17日登記完了。
寺格(順不同)
総本山 泉涌寺(京都市東山区)
別院 雲龍院(泉涌寺塔頭)
別格本山も兼ねる。
大本山 浄土寺 (尾道市)(広島県尾道市)、法楽寺 (大阪市)(大阪市東住吉区)
別格本山 雲龍院
準別格本山 戒光寺(塔頭)、即成院(塔頭)、東向観音寺(京都市上京区)
一般寺院
宗務組織
管長(泉涌寺長老職が兼任)
宗議会(末寺の代表役員から5名選出・任期4年)
寺務長
宗務総長(以下の各部を統括)
庶務部
法会部
教学部
財務部
主事・主事補(庶務部・法会部・教学部・財務部にそれぞれ設置)
執事
宗務組織としての地方教区は設置されていない。
御寺泉涌寺を護る会
事務局
僧籍・僧階
僧階(全15級)
1級 大僧正
2級 権大僧正
3級 中僧正
4級 権中僧正
5級 少僧正
6級 権小僧正
7級 大僧都
8級 権大僧都
9級 中僧都
10級 権中僧都
11級 少僧都
12級 権小僧都
13級 大律師
14級 律師
15級 権律師
種智院大学卒業者は権僧都、種智院大学1年は権律師に補する。
住職資格 (教師資格を有し、得度、度牒後2年、四度加行・受戒・伝法潅頂修了者)
住職任命 (管長の申請、特命のいずれか)
布教
教学講習会(8月に開催)
海外に直営の寺院はない。
北米に自主開教。
文書伝道として、「天真」を発行。
年中行事
派祖遠忌は50年ごとに法会を行う。
教育機関
種智院大学(協同経営)
洛南高等学校・附属中学校(協同経営)
華道月輪未生流(家元・泉涌寺長老)
煎茶道東仙流(家元・泉涌寺長老)
香道泉山御流(家元・泉涌寺長老)
泉山幼稚園(学校法人泉涌寺学園)
施設
宝物館(心照館) 泉涌寺境内に設置
教義
古義真言宗の教義に準じる