観無量寿経 (Kanmuryoju Kyo sutra)

『観無量寿経』(かんむりょうじゅきょう)は、大乗仏教の経典の一つ。
別名『観無量寿仏経』、『無量寿観経』ともいい、『観経』と略称される。

サンスクリット

サンスクリット原典は、現在発見されていない。

仏説観無量寿経

『仏説観無量寿経』1巻 劉宋の畺良耶舎(きょうりょうやしゃ)訳。

日本の浄土教の根本聖典の一つで、『仏説無量寿経』(康僧鎧訳)、『仏説阿弥陀経』(鳩摩羅什訳)とともに「浄土三部経」と総称される。

内容

阿闍世という名の太子が、悪友の提婆達多にそそのかされて、父の頻婆娑羅王を幽閉し餓死させようとした「王舎城の悲劇」を導入部として、王の后である韋提希夫人の願いにより釈迦が、極楽世界や阿弥陀仏、観音菩薩・勢至菩薩の二菩薩を観想する13の観法を説かれる。
そして、極楽世界に往生する者を「上品上生」から「下品下生」(九品)に分け説かれる。
最後に釈尊が阿難に向って「無量寿仏の御名を、常に心にとどめ続けよ。」と説かれる。

その他の中国語訳

『観無量寿経』1巻 劉宋の曇摩蜜多訳。
…欠本?

『開元釈教録』(編纂:智昇)に収録され存在したとの説もあるが、早く散逸した訳経録よりの記載であり、『高僧伝』の曇摩蜜多の条にも訳出経典として挙げられていない。
よって訳者の混同により二訳ありとの過失が生じたものと考えられ、仏説観無量寿経のみが存在すると考えるのが通説である。

その他に、後漢訳と東晋訳が存在したとされるが、いずれも欠本である。

その他の言語訳

ウイグル語訳

ウイグル語訳は、残簡が大谷探検隊により敦煌市にて発見されているが、これも漢訳経典よりの重訳とみられている(中央アジアもしくは中国で作られたとの説もある)。

チベット語訳

チベット語訳は、発見されていない。

注釈者

慧遠 (隋) 『観無量寿経義疏』2巻

智ギ

吉蔵(きちぞう) 『観無量寿経義疏』1巻

道綽 『安楽集』2巻

善導 『観無量寿経疏』(『観経四帖疏』)4巻

日本の浄土教においては、善導の撰述した書を、観経の注釈書とするのが通例。

法然 『観無量寿経釈』

[English Translation]