塑像 (Earthen image)
塑像(そぞう)は、粘土を素材とした像。
テラコッタと異なり、焼成を行わない。
日本には奈良時代前期に唐から伝来し、奈良時代後期に盛行した。
心木に藁縄などを巻きつけ、粒子の荒い荒土から、細かい仕上げ土へと順次盛り上げ、箆(へら)や指で造型する。
日本に現存する主な塑像
奈良県当麻寺金堂本尊の弥勒仏坐像は7世紀後半にさかのぼる作で、日本最古の塑像と言われている。
日本では、塑像の作例は奈良時代に集中しており、木彫が彫刻界の主流となった平安時代以降(おおむね9世紀以降)の塑像の作例はまれである。
以下に国宝指定物件を中心に著名な作例を挙げる。
奈良時代前期
当麻寺金堂(奈良県)弥勒仏坐像
奈良時代後期
龍蓋寺(奈良県)如意輪観音坐像 - 像高4.6mの日本最大の塑像
法隆寺(奈良県)五重塔初層安置塑像群
法隆寺中門 金剛力士立像
法隆寺食堂(じきどう)旧安置 四天王立像、梵天・帝釈天立像
新薬師寺(奈良市)十二神将立像
東大寺法華堂(三月堂)(奈良市)執金剛神立像、日光菩薩像・月光菩薩立像、弁才天・吉祥天立像
東大寺戒壇院 四天王立像
天福寺 (宇佐市)(宇佐市)三尊像残欠
平安時代
法隆寺夢殿 道詮律師坐像
広隆寺(京都市)弥勒仏坐像
出土した主な塑像
斎尾廃寺跡(琴浦町)
上淀廃寺跡(米子市)
山王廃寺跡(前橋市)