還俗 (Exclaustration)
還俗(げんぞく)とは、僧侶になった者が、戒律を堅持する僧侶であることを捨て、在俗者・俗人に戻る事をいう。
「復飾」(ふくしょく)とも。
仏教教団の戒律においては、波羅夷と呼ばれる4つの大罪を犯した僧が処される最も重い刑罰である。
また、これらの罪によって罰せられた場合、再出家することも禁じられている。
つまり、終身の教団追放を意味している。
不殺生戒を犯したもの
不偸盗戒を犯したもの(但し、一定額以上)
不邪淫戒を犯したもの
不妄語戒を犯したもの(但し、得道を詐称した大妄語に限る)
日本では、律令「僧尼令」における刑罰の一つである。
武士・公家の家督や棟梁、氏長者といったものを相続していた当主が亡くなり、謀反防止のためなどの理由で出家していた子弟・縁者などが相続して家名存続させる目的のものもあるなど、背景はさまざまである。
中国
鳩摩羅什
衛元嵩
費長房
信行
武則天
賈島
劉秉仲
平安時代以前
天武天皇
法均
早良親王(立太子のため)
平安時代
円載
鎌倉時代
法然(承元の法難により、僧を流罪とするには俗人でなければならなかったため。)
(俗名藤井元彦)
親鸞(同上。)
(俗名藤井善信。)
(「非僧非俗」の思想はここから生まれる)
一遍(父河野通広の死により所領相続のため。)
(のち再出家)
四条隆資
宗良親王(後醍醐天皇の命による鎌倉幕府追討のため)
護良親王(同上。)
(大塔宮の呼称はここから)
室町時代
足利義教(室町幕府征夷大将軍職相続のため)
足利政知(兄足利義政の命による古河公方追討のため)
足利義視(兄足利義政の後継者となるために還俗)
足利義昭(兄足利義輝の敵を討ち、将軍職に就くため、還俗し諸国を流浪)
今川義元(兄今川氏輝の死亡に伴い還俗し、家督相続)
上杉謙信
山岡景友
江戸時代
佐々宗淳
伏見宮邦家親王
九条尚実
近衛忠煕
高遊外
近代
北白川宮能久親王
松園尚嘉(興福寺大乗院門跡。)
(廃仏毀釈によって院は廃絶。)
(後に子爵)
(奈良華族を参照)
鴻雪爪
村上専精
河口慧海
臥雲辰致(明治時代初期にガラ紡を発明)
稲盛和夫
市川白弦
ポール牧