金剛仏子叡尊感身学正記 (Kongobutsushi Eison Kanjingakushoki)
金剛仏子叡尊感身学正記(こんごうぶつしえいそんかんしんがくしょうき)は、鎌倉時代に真言律宗を開いた僧侶・叡尊の自伝である。
感身学正記と略する場合もある。
弘安8年(1285年)、85歳を迎えて先が短いと考えた叡尊は、自己の信仰・事業について振り返って後事を門人に託すために同年11月14日 (旧暦)に執筆を開始。
翌年2月28日 (旧暦)に完成され、翌3月までに校正を終えた。
出生から醍醐寺における出家と真言密教の修行、仏教界全体の堕落から、覚盛らとともに東大寺で自誓授戒を行ったこと、忍性ら弟子との出会いや西大寺_(奈良市)を再興して戒律復興運動や非人・ハンセン病患者救済活動などを行った経緯等を記している。
叡尊自身が保持していた諸資料を基にして書かれていること、内容が詳細明晰であること、当時の他の歴史・仏教史料と比べても大きな相違がないことから、鎌倉時代における仏教史料として高く評価されている。
長谷川誠編『興正菩薩御教誡聴聞集・金剛仏子叡尊感身学正記』が没後700年の1990年(平成2年)に西大寺より刊行。
細川涼一訳が平凡社東洋文庫全2巻で1巻目のみ1999年に刊行。