かまど神 (God of the Hearth)
かまど神(かまどがみ)はかまどや囲炉裏などの火を使う場所に祀られる神。
日本のかまど神
火の神であると同様に農業や家畜、家族を守る守護神ともされる。
一般にはかまどや炉のそばの神棚に御幣や神札を祀るが、祀り方の形態は地方によって様々である。
宮城県や岩手県など東北地方では、竈近くの柱にカマ男、火男、カマジンなどと呼ばれる粘土または木製の醜い面をかけて祀る。
信越地方では釜神といって、約1尺の木人形2体が神体であり、鹿児島県では人形風の紙の御幣を祀っている。
竈近くの柱や棚に御幣や神札を納めて祀ったり、炉の囲炉裏囲炉裏に付属する道具や五徳を神体とする地方もある。
日本の仏教における尊像・三宝荒神は、かまど神として祀られることで知られる。
これは、清浄を尊んで不浄を排する神ということから、火の神に繋がったと考えられている。
また近畿地方や中国地方では、陰陽道の神・土公神がかまど神として祀られた。
季節ごとに春はかまど、夏は門、秋は井戸、冬は庭へ移動すると考えられている。
住居空間では竈は座敷などと比べて暗いイメージがある。
したがって、影や裏側の領域、霊界(他界)と現世との境界を構成する場所とし、かまど神を両界の媒介、秩序の更新といった役割を持つ両義的な神とする考え方もある。
また、性格の激しい神ともいわれる。
この神は粗末に扱うと罰が当たる、かまどに乗ると怒るなど、人に祟りをおよぼすとの伝承もある。