ミヅハノメ (Mizuhanome)
ミヅハノメは、日本神話に登場する神 (神道)である。
古事記では弥都波能売神(みづはのめのかみ)、日本書紀では罔象女神(みつはのめのかみ)と表記する。
神社の祭神としては水波能売命などとも表記される。
淤加美神とともに、日本における代表的な水の神(水神)である。
古事記の神産みの段において、カグツチを生んで陰部を火傷し苦しんでいたイザナミがした尿から、ワクムスビ(ワクムスビ)とともに生まれたとしている。
日本書紀の第二の一書では、イザナミが死ぬ間際に埴山媛神(ハニヤマヒメ)と罔象女神を生んだとし、埴山媛神と軻遇突智(カグツチ)の間に稚産霊(ワクムスビ)が生まれたとしている。
神名の「ミヅハ」は「水走」と解して灌漑のための引き水のことを指したものとも、「水つ早」と解して水の出始め(泉、井戸など)のことともされる。
古事記には他に闇御津羽神(クラミツハ)があり、これも同じ語源と考えられる。
「ミツハ」に「罔象」の字が宛てられているが、罔象は『准南子』などの中国の文献で、龍や小児などの姿をした水の精であると説明されている。
灌漑用水の神、井戸の神として信仰され、祈雨、止雨の神得があるとされる。
丹生川上神社(奈良県吉野郡)などで淤加美神とともに祀られているほか、各地の神社で配祀神として祀られている。
大滝神社(福井県越前市)摂社・岡田神社では、ミヅハノメが村人に紙漉を教えたという伝説が伝わっている。