例祭 (Reisai (regular festival))
例祭(れいさい)とは、神社で毎年行われる祭祀のうちの一つである。
そのうち、最も重要とされるもののことである。
例祭は年一回、多くは祭神や神社に特別の由緒のある日に行われる。
例えば人物神を祀る神社ではその人物の誕生日や命日としていることが多い。
特に由緒のある日のない場合は、春祭りや秋祭りをもって例祭としている。
例祭が行われる日は毎年一定で、みだりに変えることはできないものとされる。
第二次大戦以降も、神社本庁被包括の神社については、例祭日を変更する場合は神社本庁の承認を受ける必要がある。
歴史
「例祭」という名称が使われ出したのは近世のことである。
それ以前には「大祭(おおまつり)」「御祭(おんまつり)」などと呼んだり、社名に祭をつけて「春日祭」「石清水祭」などと呼んだりしていた。
近世には、各地の名所図絵などに「○○神社例祭○月○日」と記載されているのが見られる。
これにより、その神社を代表する重要な祭を「例祭」と呼ぶことが定着していたことがわかる。
明治の神社制度においては、例祭は祈年祭・新嘗祭などとともに「大祭(たいさい)」に定められていた。
そのため、官国幣社・府県社・郷社および一部の村社(神饌幣帛料供進指定神社)には勅使あるいは幣帛供進使が参向して国・皇室から幣帛が供進された。
第二次大戦以降は、国からの幣帛供進制度は廃止された。
しかし、勅祭社については例祭に際し勅使が参向する。
それ以外の神社では、公的な幣帛供進制度に代わって神社本庁から「本庁幣」として献幣が行われている(ただし神社本庁被包括の神社に限る)。
名称
例祭は祭祀の分類の中で「大祭(たいさい)」に分類される。
このことから、例祭のことを例大祭(れいたいさい)と呼ぶことがある。
ただし、これは俗称であり、正式なものではない(例祭の名称として「○○神社例大祭」としていることはある)。
正式には、大祭式例祭(たいさいしきれいさい)とする。
本来の「例祭」以外の祭祀についても、祭の名称に「例祭」を含んでいる場合(例えば「春季例祭」)があるが、一つの神社について例祭は一つだけである。
主な神社の例祭日
伊勢神宮においては「例祭」という概念はない。
最も重要な祭祀である神嘗祭(10月17日)が一般の神社の例祭に相当する。