山王神道 (Sanno Shinto)
山王神道(さんのうしんとう)は、平安時代末期から鎌倉時代にかけて、天台宗の総本山である比叡山延暦寺で生まれた神道の流派である。
狭義には、江戸時代の天海より以前のものを山王神道という。
「山王」とは、霊山を守護する神霊のことであり、ここでは比叡山の地主神である大山咋神のことを指す。
大山咋神に対する信仰(山王信仰)と天台宗とが結びついたのが山王神道である。
山王神は釈迦の垂迹であるとされた。
また、「山」の字も「王」の字も、三本の線と、それを貫く一本の線からなっており、これを天台宗の思想である三諦即一思想と結びつけて説いた。
山王一実神道
徳川家康につかえていた江戸時代の僧・天海は、家康の歿後、山王神道説を発展させた山王一実神道(さんのういちじつしんとう)を唱え、山王一実神道に従って家康の霊を権現(東照大権現)の神号で祀るよう主張した。
山王一実神道では、山王権現とは大日如来であり、天照大神であると説いた。
これには伊勢神道の影響も見られる。