拍手 (神道) (Hakushu)
拍手(はくしゅ、かしわで)とは、神道の祭祀や、神社・神棚など神 (神道)に拝する際に行う行為である。
柏手と書かれることもあり、また、開手(ひらて)ともいう。
作法
両手を合わせ、左右に開いた後に再び合わせる。
通常、手を再び合わせる際に音を出す。
音を出す理由は、感謝や喜びを表す為、凶事や悲しみを表す行事においては音を出さない作法(後述)もある。
その他に、願いをかなえるために神を呼び出す、または邪気を祓うためともいわれている。
この場合、音を出さないのは故人の霊まで祓ってしまわない為と解釈される。
種類
拍手にはいくつか種類がある。
現代の参拝で行われる「二拝二拍手一拝」など、3回以下のものは「短拍手(みじかて)」と呼ばれる。
出雲大社、宇佐神宮の4回、伊勢神宮の8回など、4回以上手を打つものは「長拍手(ながて)」と呼ばれる。
他に、8回打った後に再度短拍手を1回打つ「八開手(やひらて)」もある。
神葬祭で音を出さずに打つ「偲手・忍手(しのびて)」や、直会で盃を受けるときに一回打つ「礼手(らいしゅ)」などもある。
細かい所では、両手を合わせる際に、指先まで合わせる作法と、意図的にずらす作法がある。
ずらす作法にも、途中からずらす作法と、最初から最後までずらしたままの作法がある。
ずらす理由としては、「音を良くする」他に「不浄の手と合わせない」「(神道と仏教or公家と武家などの)教派の違い」がある。
音を良くする場合、左手指股に右手指先をあてる。
由来
魏志倭人伝には、倭人(後の日本人)の邪馬台国などの風習として、「見大人所敬 但搏手以當脆拝」と記され、貴人に対し手を打ち跪いて拝礼をしていたとされており、当時は人に対しても拍手を行っていたことがわかる。
古代には、人でも神でも貴いものに対して拍手をしていたのが、人に対しては行われなくなり、神に対するものだけが残ったということになる。
なお古代人は、相手に対して挨拶する時、手の中に武器を持っていない事を示すために、パンパンと拍手を打って、敵意の無いことを示すことで、相手への敬意をあらわしたという説もある。
「かしわで」という呼称は、「拍」の字を「柏」と見誤ったため、あるいは混同されて用いられたためというのが通説となっている。
他に、宮中の料理人のことである「膳夫(かしわで)」と関連があるとする説。
や、手を合わせた時の形を柏の葉に見立てたためとする説もある。