祟り神 (Tatari-gami)
祟り神(たたりがみ)は、四魂であり畏怖され忌避されるものであるが、手厚く祀りあげることで強力な守護神となると信仰される神々である。
また、恩恵をうけるも災厄がふりかかるも信仰次第とされる。
すなわち御霊信仰である。
その性質から、総じて信仰は手厚く大きなものとなる傾向がある。
創建された分社も数多い。
平安京、京の都で長くとりおこなわれている祇園祭は、祟り神を慰撫し鎮魂する祭りである。
主祭神である「祇園信仰」「牛頭天王」ことスサノオはまさにこの意味での祟り神の代表格である。
疫病をもたらす厄神であると同時に、手厚く祀る者には守護神として働くとされ、全国各地に牛頭天王社が創建された。
日本書紀では征服された地祇の神々、ことにそのスサノオによって退治されたヤマタノオロチなどは代表的な祟り神である。
八岐大蛇から現れ出た宝剣天叢雲剣は三種の神器として神剣として祀られている。
出雲大社や諏訪大社ではその地にあった国津神が封印され祀られている。
(そのような神々を祀る神社の社格には大社などが付き、征服者である天神を祀る神社の社格は神宮となる)
しかしながら、日本書紀には天武天皇が天叢雲剣の祟りが原因で崩御、日本後紀には桓武天皇が十握剣(八岐大蛇を征服した宝剣)の祟りが原因で崩御したとある。
神剣の祟りは相当なものと認識されていたようである。
前者は熱田神宮から盗まれた行方不明だった天叢雲剣が献上され宮中にとどめおいたため祟ったとある。
後者は石上神宮から平安京へ無理矢理移動させたため祟ったとある
結局、畏れをなされた神剣は元の場所に戻されることとなった。
御霊信仰
非業の死を遂げ畏れられたもの、たとえば菅原道真や崇徳天皇、平将門は祟り神に部類される神として祀られている。
ことに平将門は東京を守る産土神であると同時に、平将門の首塚伝承で知られる数々の祟りをなす典型的な祟り神である。
八所御霊
早良親王、伊予親王、藤原吉子、橘逸勢、文室宮田麻呂、菅原道真、吉備真備、井上皇后の御霊を総して八所御霊といい、各所で祟り神として祀られている。