祭主 (Saishu (Chief Priest))
祭主(さいしゅ)とは、伊勢神宮にのみ置かれている神職の役職である。
概要
古は令外官のひとつであったものである。
近代以前は、代々中臣氏(大中臣氏)が任命され、神祇官神祇官(明治2年7月 政体書改正に伴い太政官から特立)が兼任した。
伊勢の神宮の祈年祭・月次祭・神嘗祭において、奉幣使として参向し、祝詞を奏上して、天皇の意思を祭神に伝えることを主たる役目とする。
国家機関当時は、神宮式年遷宮に際しては、造神宮使・奉遷使を務めた。
伊勢神宮のほかにも同名の役職が置かれる場合があったが、それらとは明確に区別される。
現在の祭主は池田厚子であり、戦後は皇族出身の女性が就任している。
このことから斎宮と混同されることもあるが、斎宮は神宮に仕えた未婚の皇族女性のことで南北朝時代_(日本)に廃絶した。
近代
近代以降、社家の世襲が廃止されると、藤波家の世襲は廃され、華族をもって神宮祭主に任じた。
のち皇族又は公爵をもって任じる親任官となり、勅令である神宮司庁官制で法制化された。
戦後は神道指令及び日本国憲法により、国家の手をはなれ、宗教法人としての神宮となった。
現在は宗教法人としての「規則」により、祭主は「勅旨を奉じて定める」ことされている。
女性の元皇族が就任している。
最初の皇族祭主が久邇宮朝彦親王であることから、その子孫が就任していることが多い。
熱田神宮にも祭主を置く動きがあったが、実現しなかった。