カヤノヒメ (Kayano-hime)
カヤノヒメ(カヤヌヒメとも)は、日本神話に登場する草の神 (神道)である。
古事記では鹿屋野比売神、日本書紀では草祖草野姫(くさのおやかやのひめ。草祖は草の祖神の意味)と表記し、『古事記』では別名が野椎神(のづちのかみ)であると記している。
神産みにおいてイザナギ・イザナミの間に生まれた。
『古事記』においては、山の神であるオオヤマツミとの間に、4対8柱の神を生んだ。
神名の「カヤ」はカヤ (草)のことである。
萱は屋根を葺くのに使われるなど、人間にとって身近な草であり、草の代表として草の神の名前となった。
樽前山神社(北海道苫小牧市)では山の神・大山津見神、木の神・ククノチと共に祀られている。
萱津神社(愛知県海部郡 (愛知県)甚目寺町)では日本唯一の漬物の神として祀られており、タバコの葉の生産地ではタバコの神として信仰されている。
別名の「ノヅチ(野槌)」は「野の精霊(野つ霊)」の意味である。
しかし、この「ノヅチ」は後にニホンマムシの別名とされるようになり、さらにはヘビの化け物とされるようになった。
野槌は、その名前から、頭と尻は同じ大きさで柄のない槌の形をしているとされ、人の足に食いつくとされた。
ツチノコも蛇の化け物としての野槌から派生したものである。