サカキ (Sakaki)

サカキ(榊 Cleyera japonica)は、ツバキ科サカキ属の常緑高木。
神棚や祭壇に供えるなど、神道の神事には欠かせない植物である。

特徴
葉は互生で、厚みのある革質でのっぺりとし表面で鋸歯は全くなく、きれいな楕円形である。
6月ごろ白い小さな花を咲かせる。
11月ごろには黒くて小さな液果を付ける。

近縁種など
ヒサカキはサカキの代用として用いられる。

ヒサカキに近縁のハマヒサカキ (Eurya emarginata) は海岸に野生し、道路の植え込みなどによく使われる。
葉は丸くサカキやヒサカキとは明らかに異なる。
花は冬に咲き、ヒサカキと同じようなにおいがある。

文化
家庭の神棚にも捧げられ、月に2度、1日と15日(江戸時代までは旧暦の1日と15日)に取り替える習わしになっている。

神事で使用される様になったのは、古来から、植物には神が宿り、特に先端がとがった枝先は神が降りる依り代とされた。
若松やオガタマノキなど様々な常緑植物が用いられたが、近年は、もっとも身近な植物で枝先が尖っていて神のヨリシロに相応しいサカキやヒサカキが定着している

語源は、神と人との境であることから「境木(さかき)」の意であるとされる。
常緑樹であり繁えることから「繁木(さかき)」とする説もあるが、多くの学者は後世の附会であるとして否定している。

サカキは、田舎などでは庭先に植えている家庭が多い。
また、常緑樹でもあることから庭木としても使われていることがある。

混同されやすいので、榊は「本榊(ホンサカキ)」とも呼ばれ、ヒサカキについては、「シャシャキ」「シャカキ」「下草」「ビシャコ」「仏さん柴(しば)」などと地方名で呼ばれることもある。

関東以南の比較的温暖な地域で生育するため、関東以北では類似種(別属)のヒサカキ (Eurya japonica) をサカキとして代用している。

ヒサカキの由来は小さいことから「姫榊」とも、サカキでないことから「非榊」とも言われる。
ヒサカキは仏壇にも供えられる植物である。
花は早春に咲き、独特のにおいがある。

店頭に並んでいるサカキとヒサカキを見分けるポイントは葉縁である。
葉が小さく、鋸歯がある(ぎざぎざしている)ならヒサカキ、表面がツルツルしていて、ふちがぎざぎざしていない全縁ならサカキである。
また、サカキは茎頂の芽(冬芽)が、爪状に尖っていることでも見分けられる。

近年、店頭に並ぶ神棚用のサカキは、日本の業者が中国で栽培し輸入したサカキやヒサカキが大半をしめている。

[English Translation]