天香山命 (Amenokaguyama no mikoto)

天香山命（あめのかぐやまのみこと/あまの-）は、日本の神 (神道)である。
「天香語山命」、「天賀吾山命」等とも書かれるため、「あめ（ま）のかごやまのみこと」とも読む。

『旧事本紀』によれば、天照大神の孫神であるニギハヤヒ（天火明命）と、天道日女命（あめのみちひめ-）との間に生まれた神（天照太神の曾孫神）である。
尾張氏等の祖神とされ、物部氏等の祖神である宇摩志摩治命（うましまぢ-）とは母神を異にする兄弟神となっている。
『新撰姓氏録』にも見え、後裔氏族として尾張氏（左京神別等）を始め、伊福部氏（左京神別下）・六人部氏（山城神別）・津守氏（摂津神別）等を挙げている。

『旧事本紀』の「天神本紀」には、饒速日尊の天孫降臨に従った32柱の1柱に数えられたとある。
「天孫本紀」では、紀伊国の熊野邑（和歌山県新宮市が比定地になっている）に住み、別名を「手栗彦命（たくりひこ-）」、または「高倉下命」というとあり、以下「記紀」に載せる「高倉下」の伝承と同じ内容を記す（詳しくは高倉下を参照）。