注連縄 (Shimenawa Rope)
注連縄(しめなわ)は、神道における神祭具で、宗教上の意味を持つ紙垂(しで)をつけたロープをさす。
標縄・七五三縄とも表記する。
概要
現在の神社神道では「社(やしろ)」・神域と現世を隔てる結界の役割を意味する。
また神社の周り、あるいは神体を縄で囲う。
その中を神域としたり、厄や禍を祓う結界の意味もある。
御霊代(みたましろ)・依り代(よりしろ)として神がここに宿っているという印ともされる。
古神道においては、神域はすなわち常世(とこよ)であり、俗世は現実社会を意味する現世(うつしよ)である。
注連縄はこの二つの世界の端境や結界を表し、場所によっては禁足地の印ともなっている。
御旅所にも張られ、海の岩礁の内、奇岩とされるものなどにも注連縄が張られる。
よく知られるものとして夫婦岩がある。
これも注連縄の一形態であり、厄や禍を祓う結界の意味を持つ。
大相撲の最高位の大関の中で、選ばれた特別な力士だけが、締めることを許される横綱も注連縄である。
現在でも雷(稲妻)が落ちた場所で特に水田などでは青竹で囲い、注連縄をはって、五穀豊穣を願う慣わしが各地で行われている。
起源
日本神話
天照大神が天岩戸から引き出された際、二度と天岩戸に入れないよう太玉命が注連縄(「尻久米縄」)で戸を塞いだのが起源とされる。
稲作信仰
稲作信仰は神道の根幹をなす一つである。
自然崇拝でもある古神道にも古い時代から存在する。
稲作文化とかかわりの深い風習だと考えられる。
古神道
神が鎮座(神留・かんづま)する山や森を神奈備といい信仰した。
後に森や木々の神籬(ひもろぎ)や山や岩の磐座(いわくら)ともいわれたが、神の宿る降りる場所や神体として祀られ、その証として注連縄がまかれた。
形状
注連縄・注連飾りには、大根締め、ゴボウ締め、輪飾りなど色々な種類の形式がある。
大根締めは両端がつぼまり、ゴボウ締めは片側のみが細い。
日本以外の宗教的な縄
朝鮮中南部にもクムジュル(禁縄)というよく似た風習がある。
注連飾り
正月に迎える年神を祀る依り代として飾る。
玄関に飾るものを玉飾りと呼び、台所やトイレなどに飾る略したものを輪じめと呼ぶ。
玉飾りには、地域によって異なるが、縁起物である紙垂、ダイダイ、ウラジロなどが同時に飾られる。
飾る時期
飾り始める日は松飾りの飾る期間と同じ扱いで良いが、地域によって風習は異なる。
現在ではクリスマス後から28日までに飾る事が一般的である。
29日と31日に飾る事は縁起が悪い事とされる。
31日に飾る事を一夜飾りといい、迎え入れる神様に失礼であるとされる。
飾りを取り外す日も地域によって風習が異なる。
1月7日に七草がゆを食べた後、若しくは15日の小正月の後に取り外すとされる。