磐座 (Iwakura)
磐座(いわくら)とは、日本に古くからある自然崇拝(精霊崇拝・アニミズム)である古神道のなかの一つの信仰をさす。
巨岩に対する基層信仰の一種である。
自然への信仰の例は岩以外にも、禁足地としての鎮守の森(モリ自体が神社をさし、杜は鎮守の森自身である)や山に対する信仰、火(火山)に対する信仰である三輪山や富士山などの神名火(カムナビ)、滝などから、風雨・雷という気象現象までの多岐に渡るものである。
岩にまつわるものとして他にも磐境(いわさか)があるとされる。
しかし、こちらは磐座に対してその実例がないに等しい。
そのため同一のものと目されることもある。
日本書紀では磐座と区別してある。
したがって、磐座とは異なるなにか、「さか」とは神域との境であり、神籬の「籬」も垣という意味で境であり、禁足地の根拠は「神域」や「常世と現世」との端境を示している。
神事において神を神体である磐座から降臨させ、その依り代(神籬という)と神威をもって祭りの中心とした。
時代とともに、常に神がいるとされる本殿が常設されるに従って信仰の対象は神体から遠のき、神社そのものに移っていった。
しかし、元々は古神道からの信仰の場所に、社(やしろ)を建立している場合がほとんどである。
したがって、境内に依り代として注連縄が飾られた神木や霊石が、そのまま存在する場合が多い。
現在ではご神木などの樹木や森林または、儀式の依り代として用いられる榊などの広葉常緑樹を、神籬信仰や神籬と言い、山や石・岩などを依り代として信仰することを磐座という傾向にある。