船霊 (Funadama)
船霊(ふなだま)とは海の民が航海の安全を願う神。
船玉とも表記する。
また、地方により、フナダマサン、フナダンサン、オフナサマなど、様々な異名がある。
御神体が有る場合と無い場合がある。
ある場合は人形、銅銭、人間の毛髪、五穀、賽などを船の柱の下部、モリとかツツと呼ばれる場所に安置し、一種の魔除け・お守り的な役目を果たす。
また、陸上に船霊を祀る神社をおく場合もある。
近年では地上の寺社のお札を機関室などに納めることが多いようである。
御神体が無い場合でも正月11日に船霊祭等と称して儀礼を行ったり、船迎えという行事を行うところもある。
全国的に、船霊は女の神であるとされる。
海上に女性を連れて行ったり、女性が一人で船にのったりすると、憑かれたり天候が荒れたりするとして忌む傾向がある。
船霊を主に祀るのは漁民の他、船大工である。
船が完成すると棟梁は船霊をまつる儀式を執り行う。
海上では「カシキ」と呼ばれる、炊事を担当する少年が稲穂などを捧げて世話をした。
海外で船霊にあたるものとしては、西洋で船首や船尾に取り付ける女神像などが上げられる。
また、中国の媽祖なども近い存在といえよう。