カンジョ古墳 (Kanjo-kofun Tumulus (a tumulus in Yuraku, Takatori Town, Nara Prefecture))

カンジョ古墳(かんじょこふん、乾城古墳、与楽カンジョ古墳 とも)は、奈良県高取町与楽に存在する古墳。
奈良県一の高さの石室を持つことで知られる。

概要

墳丘の北側と西側が掘削されているため、原形や規模が不明だった。
だが、調査の結果、一辺約36メートル前後の方墳と判明している。

埋葬施設として、両袖式の横穴式石室をもち、石室の天井が極めて高いことが、この古墳の特徴である。
床面に土砂が流入していたため、石室の正確な天井高が不明であった。

だが、平成20年の再調査により、石室の高さ5.27メートルであることが判明した(平成20年8月5日高取町教育委員会発表)。
石室の高さは、石舞台古墳(高さ4.8メートル)を上回り、奈良県内一と見られる。
また、石室の幅は3.7メートル、長さ6メートルと判明した。

この調査により、石室の床面から、渡来人系の古墳で多く見られるミニチュア炊飯具の一部をはじめ、銀製指輪が出土した。
また、玄室の中央部からは棺台の一部と推定される高さ15センチメートルの盛り上がりや、木棺に使用される鉄釘が出土した。

石室や出土品の特徴から、6世紀末から7世紀前半頃の渡来系の有力氏族(東漢氏)の首長の墓とみられている。

1976年3月30日に奈良県の史跡に指定されている。

石室内に立ち入ることはできないが、鉄扉越しに石室内を観察することができる。

[English Translation]