主殿造 (Shuden-zukuri style)

主殿造(しゅでんづくり)は、室町時代の武家住宅の様式として建築史で提唱された言葉である。

武家住宅も初期は寝殿造の系統であり、足利義教の将軍邸(花の御所)も寝殿を中心にした配置を取っていた。
それが足利義政の東山殿になると、主殿と呼ばれる常御所が造られた。
主殿には対面や仏事を行う部屋、寝室などがあり、一つの完結した生活の場となっていた。

この形式は、渡り廊下で寝殿と対屋をつなぐ寝殿造や、玄関・大書院・小書院などを連ねる書院造とも異なっている。
一つの独立した様式であるとして「主殿造」と呼ぶことがある。

(参照:平井聖「日本住宅の歴史」)

当時の主殿造の建築遺構は残っておらず、文献類から様子が知られるのみ。
時代は下がるが、園城寺にある書院は、主殿造の様式を残していると言われる。
床、棚、書院を備えており、古風な書院といった印象を受ける。

園城寺の勧学院客殿(1600年)、光浄院客殿(1601年)は国宝。
また、園城寺の日光院にあった書院は東京に移築され護国寺月光殿になっている(重要文化財)。

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