清戸迫横穴 (Kiyotosaku Oketsu Cave Tumulus (a horizontal decorated cave tumulus in Fukushima Prefecture))
清戸迫横穴(きよとさくおうけつ)は、福島県双葉郡双葉町大字新山にある横穴式装飾古墳。
奥壁に人や動物、うずまきを描いた壁画が残されている。
国の史跡に指定されている。
装飾壁画の発見
清戸迫横穴は300基以上ある横穴墓群の一つで、正式名称は「清戸迫76号横穴墓」である。
古くから清戸迫丘陵地にその存在が知られていた円墳・横穴群のうちの76号で、1967年(昭和42年)11月、双葉町立南小学校の新築に伴う敷地造成工事にかかる発掘調査がおこなわれた。
同年11月、敷地内に存在していた横穴墓群の一部を発掘調査した際に76号横穴墓からベンガラ(赤色顔料)によって描かれた壁画が発見された。
同横穴墓は、南東を開口部とし、全長約2.6メートルの玄室の奥壁に渦巻文(うずまきもん)を中心に人物2名などが両側に描かれている。
壁画は、現在判明している彩色壁画のうちの北限にあたる。
なお、昭和42年(1967年)11月、翌年には国の史跡に指定され、現在は双葉町立南小学校の敷地内に保存されている。
横穴墓の構造と壁画について
横穴は入口から奥壁まで3.15メートル、高さは1.56メートル、奥壁の横幅は2.34メートルである。
壁画に描かれているものについてでは、正面左側の人物は冠帽や美豆良が見られ、袴を着用し靴を履いている。
正面中央には渦巻文が描かれているが、これが何を象徴しているのかはまだ不明である。
渦巻文右側の人物は兜をかぶって左手を挙げており、その左側に馬を従えている。
その他、弓矢を射ている人物をはじめ、イノシシ、鹿、犬などが描かれている。
なお、この横穴墓の築造年代は7世紀前半と思われる。
一般公開
清戸迫横穴は現在は覆屋の中に保存されており、維持管理の問題のため限られた日のみの公開となっている。
公開日は4月・5月・7月・10月の第2日曜日で、時間は900-1200、1300-1500となっている。