京都競馬場 (Kyoto Racecourse)

京都競馬場(きょうとけいばじょう)は京都府京都市伏見区にある競馬場である。
施行者ならびに管理者は日本中央競馬会である。
最寄り駅から淀(よど、淀競馬場とも)と通称される。
1925年12月1日に現在の地に開設された。

歴史
1925年
12月1日に開場。

1969年
栗東トレーニングセンター開設に伴い競馬場から厩舎が移転。

1990年
第2コーナーのポケットを約200m延伸。
第3回開催(例年の第4回開催)より芝1800m(外回り)・芝1600m(内回り)の使用を開始。

1994年
平安騎馬隊が京都競馬場を活動拠点とする(1997年まで)。

スタンド改修(後のグランドスワン)と馬場の改造工事が竣工。

1995年
阪神・淡路大震災の影響で1月21日・1月22日の第1回7・8日目が中止。
日経新春杯は1月28日(第2回1日目)に移設。
中止となった第1回7・8日目は6月3日(阪急杯)・6月4日(宝塚記念)に復興競馬として開催。

阪神競馬場が被災したため、年間8開催(64日)実施。

1996年
2月10日の第2回5日目は積雪の影響で、10R・11Rがダートコースに変更。

同日行われた9Rバイオレットステークスは、発走直前に吹雪となり、ゴールまで約200mの地点までどの馬がどの位置取りだったかなど、まったく確認が出来ない状況でのレースとなった。

1999年
新スタンドビッグスワンが完成。

2001年
1月7日の第1回3日目は降雪の影響で10R~12Rが中止。
特別競走は次週に振替。

1月20日の第1回7日目は降雪の状況が著しいため、6R以降が中止。
1月22日、出馬投票をやり直して続行競馬として開催。

2007年
大型ターフビジョン等を設置。

2008年
2月3日の第2回2日目は積雪の影響で障害競走を中止した。
また1Rの発走時刻を1時間繰り下げるとともに、5R・7Rの芝レースはダートの競走に変更。

2月9日の第2回3日目は2R終了後の積雪により、3R以降が中止。
2月11日、出馬投票をやり直して続行競馬として開催。

2月24日の第2回8日目は積雪の影響で障害競走を中止した。
また1Rの発走時刻を25分繰り下げるとともに、5R・6R・9R・10R・11Rの芝レースはダートの競走に変更。

2009年
No.2ゲートの工事が完了し、2月28日のパークウインズより使用開始。
名称を「ステーションゲート」とする。
また、No.1ゲートの名称を「シンザンゲート」とする。

コース
芝コースには内回り、外回りコースがある。
外回りコースの第3コーナーにある高低差3.9mの「淀の坂」は有名。
春の天皇賞と秋の菊花賞は2度、この坂を越える。
直線が平坦であるため、近年は第3コーナーから第4コーナーにかけての下り坂でスパートをかける馬が多い。

芝外回りコースの第3コーナーから第4コーナーのカーブ半径は、109.0m→376.0m→456.0m→100.0mと推移している。
コーナーが角張っており、中間に非常に緩やかな偽直線(フランスのロンシャン競馬場で言うフォレス・ストレート)を挟んでいることも特徴(東京競馬場や阪神競馬場の内回りコースも同様の特徴があるがここまで極端ではない)。
これにより偽直線の部分は外を回ることによる距離ロスが少なくなり、いわゆる「まくり」が決まりやすい。
また、第4コーナーはJRA競馬場の芝コースの中で最も急であり、更に芝内回りコースとの合流点があって内埒が途切れている。
下り坂を利してスパートを掛ける馬が多いため、内外に馬群がばらけるシーンが多い。

障害コースでは向こう正面から第3コーナーに出て行く所に二手に別れる。
内側の大障害コースに高さ1.5m、幅2.9m(JRAの障害では水濠障害を除く飛越型障害では最も幅広)の大生垣及び、高さ80cm、幅15.9mのバンケットがある。
(バンケット:飛び上がり飛び下り台。「三段跳び」とも「ビッグスワン」とも呼ばれるが、ビッグスワンについては、スタンド増築部分の愛称として採用されてからはあまり呼ばれることは少なくなった)

コース概要
芝コース:内回りコースは1周1,782.8m、直線328.4m。
外回りコースは1周1,894.3m、直線403.7m。
フルゲートは18頭(外回り2,000mは16頭、いずれもAコース使用時)。

ダートコース:1周1,607.6m、直線329.1m、フルゲート16頭(1,000mは14頭)。

障害コース:1周の長さは通常の障害コースは1,414m、大障害コースを通る場合は1,400m。
フルゲートは14頭。

距離設定
芝内回り:*1,100m 1,200m 1,400m 1,600m 2,000m
芝外回り:1,400m 1,600m 1,800m *2,000m 2,200m 2,400m 3,000m 3,200m
ダート:*1,000m *1,100m 1,200m 1,400m 1,800m 1,900m *2,600m
障害芝:3,170m(内回り→外回り) *3,180m(外回り2周) 3,930m(大障害)
障害ダート:2,910m 3,170m 3,760m(第1回および第2回京都開催では1~2コーナー、および3コーナー付近に移動柵を設置するため、それぞれ2,930m、3,190m、3,790mとなる)

*のマークが付いている距離のレースは現在は行われていない。

芝1,400m、1,600mは2歳(3歳)新馬・未勝利・500万下条件戦では内回りコースを、それ以外の上級条件戦では外回りコースを使用する。

ダート1,900m、2,600mは冬季積雪時に芝のレースがダート変更になった際に使用されているが、ダート1,900mは2009年より通常レースでも使用される。

入場門

シンザンゲート(旧No.1 GATE)とステーションゲート(旧No.2 GATE)がある。

ステーションゲートは2階建てで、2階部分は2009年秋に予定されている京阪本線淀駅の高架化に伴い、連絡歩道橋にて駅と直結される予定。

ステーションゲート1階部分には、入場門改札・一般入場券発売所・指定席発売所(当日発売のラウンジシート)・平日払戻所・多目的トイレ・ターフィーショップ(入場後の利用のみ)などがある。

ステーションゲート2階部分には、入場門改札・一般入場券発売所(2009年秋季開催からの予定)・指定席発売所(当日発売のA指定席)・多目的トイレ・エレベーターなどがある。

2009年第3回開催時は、A指定席利用者のみが通行できる。

パークウインズ時の指定席は、ステーションゲート1階部分での発売となる。

ビッグスワン

1999年に完成したスタンドである。

指定席がある。

i-Seat(スタンド7階 243席禁煙 3,000円 JRAカードによる電話予約にて発売) 2008年10月11日より。
以前はゴンドラシートとして機能していた。
パークウインズ時は当日先着順(1,000円)で利用できる。

ボックスシート(スタンド6階 272席禁煙 2,000円 JRAカードによる電話予約にて発売)
ラウンジシート(スタンド6階 480席禁煙 1,000円 当日先着順にて発売)
ラウンジシート(スタンド5階 496席喫煙/444席禁煙 1,000円 当日先着順にて発売)
他にもシグネットホール(3、4階)メモリアルロード(3階)ホースレースiスポット(2階)ファーストフードプラザ・キッズルーム・ファンクラブルーム(1階)などもある。

勝馬投票券は、107号投票所(パドック側)のみ900から1700まで発売・払戻が実施される(その他の窓口は、930より発売が開始される)。

グランドスワン

1980年完成。
1994年の改修工事により5階6階の馬主席及び指定席エリアがガラス張りになった。

指定席として次の種類がある。

特A指定席(スタンド5階 650席禁煙 3,000円 当日先着順にて発売)
A指定席(スタンド5階 624席禁煙 2,500円 204席は当日先着順にて発売 420席はJRAカードによる電話予約にて発売)
A指定席(スタンド6階 686席喫煙 2,500円 432席は当日先着順にて発売 254席はJRAカードによる電話予約にて発売)

特A指定席は開門前から発売される(ただし開門30分前から開門までは中断)ため、開門前からグランドスワン内に入ることが出来る。
ただし、開門後まで特A指定席エリアを出ることは出来ない。

A指定席は2008年10月11日より以前の3,000円から値下げとなった。

表示装置等

東京競馬場に続いて京都競馬場においてもゴール側(1号機)、4コーナー側(2号機)両方のターフビジョンをハイビジョン対応・マルチ画面(1号機のみ)のターフビジョンへ更新することが発表された。
22億8000万円を投入し、2007年10月の開催に向けて総工期間約10ヶ月の工事が行われた。
受注元は東芝ライテックである。
10月1日に内覧会が行われ、10月6日に本格運用が開始された。
また、パドックにあった屋外表示装置(トータボード)も更新した。
(こちらは三菱電機製)

ゴール側のターフビジョンのサイズは縦10.8m×横64.0mの画面サイズ691.2m²と、以前の約3倍である。
住之江競艇場の「ボートくん」を超え、東京競馬場に次ぐ世界最大級のマルチ画面ターフビジョンとなった。
スクリーンからスタンドまでの距離は東京競馬場よりも近いことからJRAでは“世界一の迫力”と広報している。
また、デジタルハイビジョンの映像と最大3画面のマルチ出力による多彩な情報が可能となっている。

新設記念ポスターには韓国のK-1ファイターのチェ・ホンマンを起用している。
その際、ポスターでは「タテ5チェ・ホンマン。ヨコ29チェ・ホンマン」とのキャッチコピーがつけられた。
また新ターフビジョンをアピールすべく「ターフ美女n」というユニットが結成された。
メンバーは、岡部玲子、藤川京子、六車奈々の3人である。

喫煙コーナーの設置や、現金自動預け払い機(ATM)3台の設置工事なども行われ、9月29日からATMが稼動開始された。
なお、阪神競馬場のATMはりそな銀行設置のものであるが、当競馬場のATMはイーネットのものである。
したがって、多くの銀行口座での入出金に手数料がかかる場合があるので注意が必要。

場内ミニFM

場内ではミニFMで各放送局の音声を送信している。
周波数は以下のとおり。

76.0MHz…ラジオNIKKEI第1放送
77.5MHz…ラジオNIKKEI第2放送
78.5MHz…グリーンチャンネルWEST
79.0MHz…ラジオ関西(土曜日)/毎日放送(日曜日)
79.5MHz…ラジオ大阪(競馬中継は日曜日のみ)

駐車場

自動車を約8000台を収容できる駐車場を完備している。
駐車料金は京都競馬開催日は2,000円、パークウインズ時は1,000円である。
また午前10時までに駐車するとそれぞれ500円安くなるタイムサービスを実施している。
バイク(原付を含む)は無料で駐輪場を利用できる。

アクセス

京阪電気鉄道京阪本線淀駅(出町柳駅方面行き)、および京阪シティバス・京阪宇治バス 宇治淀線・久御山町のってこバス京阪淀停留所から徒歩で約5分。
競馬開催日には快速急行が淀駅に臨時停車する(パークウインズの際は通過)。
また、東海道本線(JR京都線)山崎駅 (京都府)と阪急京都本線水無瀬駅から京阪バスによる臨時バス(淀競馬場線)が運行される(片道260円)。

2010年度末を目処に淀駅が京都競馬場の入口付近に移転・高架化する予定となっている。
また、その前段階として2006年4月16日の京阪線ダイヤ改正時にあわせて、その前日の4月15日夜半から4月16日早朝にかけて、淀駅の下りホーム(淀屋橋駅・中之島駅方面行き)が仮ホームに移転された。
またそれに伴い下り改札口が現状より約300m京都方面に移転された。

名神高速道路大山崎インターチェンジから4km。
または京滋バイパス久御山淀インターチェンジから2km。

開催時期
1月~2月(2開催)、4月~5月(1開催)、10月~11月(2開催)の年間5開催40日間。

非開催日は場間場外発売「パークウインズ」として機能する。

主な競走

GI
天皇賞(春)
秋華賞
エリザベス女王杯
マイルチャンピオンシップ

JpnI
菊花賞

GII
日経新春杯
京都記念
京都新聞杯
京都大賞典
スワンステークス

JpnII
デイリー杯2歳ステークス

GIII
京都金杯
シンザン記念
平安ステークス
京都牝馬ステークス
シルクロードステークス
きさらぎ賞
アンタレスステークス
京阪杯

JpnIII
ファンタジーステークス

J・GII
京都ハイジャンプ

J・GIII
京都ジャンプステークス

主な誘導馬

現役馬
イブキマンパワー(2005年 -)
マイソールサウンド(2008年 -)
マイネルデスポット(2003年 -)
マイネルモンスター(2002年 -)

引退馬
ジョーロアリング(? - 1999年)
ツルマルツヨシ(2002年 - 2007年)
ナムラモノノフ(? - 1998年)

京都競馬場ファンクラブ

2002年10月にスタートした、JRAが主催・運営する組織。
メンバーには会員証が発行され、来場ごとに加算されるポイントを賞品に交換できるなどの特典が与えられる。
2006年4月22日より「スワンメンバーズ」と名称が変更された。

その他

シンザン像
日本競馬史上2頭めの三冠 (競馬)であるシンザンは京都競馬場の武田文吾厩舎の所属であった。
シンザンの五冠(三冠、天皇賞、有馬記念)を記念して銅像と蹄鉄が飾られている。
これにちなみ毎年1月の開催ではGIIIシンザン記念が行われる。

ライスシャワー碑
1992年の菊花賞、1993年、1995年の天皇賞(春)の勝馬で、1995年京都競馬場で代替開催された宝塚記念で、レース中に命を落としたライスシャワーの碑が馬頭観音の隣にある。

パドックは真円形で、中心には樹木が植えられている。
しかし、テレビ中継では、邪魔になることが多い。

パドック放送席の配置は、北東よりITVパドック放送室・ラジオNIKKEI・NHK・ラジオ大阪・ニッポン放送・毎日放送・KBS京都・関西テレビ・グリーンチャンネルとなっている。

馬場中央の池
馬場の中央にある池は、かつて競馬場の周辺一帯に存在した巨椋池の名残りを残した池であると考えられてきた。
1999年に京都府によって池中の生物の生態調査が実施された。

複勝式の最高倍率
2009年1月11日に行われた第3競走において、16頭中15番人気のディアトゥドリーム号が3着となった。
この馬の複勝式が122.8倍(的中764票/発売413,806票 支持率0.18%)となり、中央競馬史上最高倍率を約28年2ヶ月ぶりに記録更新した。
ちなみに、これまでの最高倍率(116.8倍)も、京都競馬場で記録されている。

主なイベント

「よどサマーライブ」
毎年夏季ローカル開催期間中の8月中旬、ないしは下旬に開かれるイベント。
競馬場のパドック、ウィナーズサークル、緑の広場など各所を舞台にして縁日、子供向けアニメ・特撮キャラクターショー、アニメ映画上映会(2005年はプロ野球中継・阪神タイガース戦上映会も)が行われる。

2005年までは「よどサマーカーニバル」という名称で開催され3000発規模の花火大会も行われていた。
しかし、花火大会は来場者の増加等による警備上の問題から行われなくなった。

「スワニーズ」
京都競馬場開設80周年にあたる2005年、第4回・第5回京都競馬をアピールするために初めて結成されたイメージガール。
高橋祐子、吉田麻衣子、中山知紗、梶本麻貴の4名で、各日2名ずつ登場した。
特に第66回菊花賞当日には、4名全員が登場した。

「ジョッキーズシート」
ジョッキーにちなんだプレミア特典付きの指定席。
期間限定で販売している。

2006年、福永祐一シート(11月4日)、岩田康誠シート(11月11日)、安藤勝己シート(11月18日)、藤田伸二シート(11月25日)
2007年、池添謙一シート(10月6日)、角田晃一シート(10月13日)、渡辺薫彦シート(10月20日)、武豊シート(11月3日)、熊沢重文シート(11月10日)、武幸四郎シート(11月17日)
2008年、上村洋行シート(4月26日)、秋山真一郎シート(5月3日)、川島信二シート(5月10日)、西谷誠シート(5月17日)、北村友一シート(10月18日)、川田将雅シート(10月25日)、岩田康誠シート(11月1日)、浜中俊シート(11月8日)、菊地昇吾シート(11月15日)
2009年、飯田祐史シート(4月25日)、小林徹弥シート(5月2日)、安藤勝己シート(5月9日)、高田潤シート(5月16日)
「競馬検定」
2006年より京都競馬開催中に行われている競馬に関する問題に答える検定である。
成績上位者15名は競馬名人に認定され、中でも成績優秀者は競馬師範に認定される。
認定者には「認定証」を授与するなど特典がある。

2006年は、第1回(6月17日)、第2回(7月2日)、第3回(10月14日)、第4回(10月29日)、競馬検定グランプリ2006(11月26日)の合計5回行われた。

2007年は、第1回(4月21日)、第2回(10月7日)、第3回(11月4日)、競馬検定グランプリ2007(11月18日)の合計4回行われた。

京都競馬場大運動会

2008年から始まったイベント。
地元民放局の京都放送が主催する。

普段は馬が走るコースをこの大運動会では人が走る。
スタートの時にはファンファーレを使用するなど結構本格的に開催する。

2月に開催されるJR京都駅ビル大階段駆け上がり大会の参加組も何組かは参加する。

「ジャパン・オータムインターナショナル・ガールズ(J・A・I・G)」
2008年5回京都競馬のイベントで活躍する。
4回京都競馬期間中に12名のエントリーから、一般投票により藤井麻貴、犬飼ゆきな、森井絵美、福原歩、そわさくらこ、蒼井さやの6名が選出された。

主な元所属調教師

1969年に栗東トレーニングセンターが開設されるまでは競馬場で調教が行われていた。

伊藤修司
上田三千夫
大根田裕也
島崎宏
谷八郎
内藤繁春
中村好夫

レコードタイム

†は基準タイム。

障害

芝の内・外は、障害コース内の内回り・外回りコースを示す。

最後の直線でダートを使用する競走の障害コースは、すべて外回りを使用する。

[English Translation]