小見真観寺古墳 (Omi Shinkanji-kofun Tumulus (a keyhole-shaped mound in Omi-kofun Tumuli Cluster in Gyoda City, Saitama Prefecture))
小見真観寺古墳(おみしんかんじこふん)は、埼玉県行田市の小見古墳群内にある前方後円墳である。
概要
墳丘長は112メートルであり、埼玉県第4位の規模を有する前方後円墳で、俗に「観音嶽」と称する。
主軸は西北西に向かい、封土の左側および前後の頂部はともに削平を受けているが右側の遺存状況は良好である。
後円部の径は55メートル、高さ7.8メートル、前方部の幅は48メートル、高さは7メートルである。
真言宗智山派慈雲山・真観寺の寺域にあるのでこの名がある。
埋葬施設
埋葬施設は後円部と鞍部付近に緑泥片岩の一枚岩を組み合わせた二ヶ所の横穴式石室がある。
後円部の石室は1634年に発見され、前室・後室の構造で7世紀の初めの築造。
前室 全長5.42メートル・幅2.24メートル・高さ2.03メートル
後室 全長2.62メートル・幅2.33メートル・高さ2.02メートル
鞍部の石室は、後室のみが現存するが、前室については明らかではない。
後室 全長2.8メートル・幅1.76メートル・高さ1.12メートル
1880年(明治13年)、発掘調査がなされ、甲冑、刀剣、銅鋺、土器などの出土品は東京国立博物館に収蔵・展示されている。
副葬品の編年から、鞍部石室の築造はやや遅れて7世紀の中頃の可能性がある。
史跡指定
前方後円墳としては新しい時期のものであり、さきたま古墳群に匹敵する首長墓と考えられている。
1931年(昭和6年)3月30日、国の史跡に指定された。