平安博物館 (Heian Museum of Ancient History)

平安博物館(へいあんはくぶつかん、英称:Heian Museum of Ancient History)は、かつて存在した日本の博物館。
財団法人古代学協会の特設機関として、1967年(昭和42年)から1988年(昭和63年)まで存続した。

所在地は、京都府京都市中京区三条通高倉上ル菱屋町。
館長は歴史学者の角田文衞。
本館は辰野金吾とその弟子長野宇平治が設計した。
1906年(明治39年)に竣工した旧日本銀行京都支店の建物を利用していた。

英称を直訳すると「平安古代史博物館」となる通り、平安時代を中心とする古代史の専門博物館である。
研究を重視する「研究博物館」として日本の博物館の中では異色の存在であった。
専門職員に対しても通常の博物館のような学芸員ではなく、大学と同様の教授・助教授・講師 (教育)・助手 (教育)の職階を与えていた。

展示は、第1室「始源時代室」、第2室「平安京遷都前の山城」、第3室「平安の都」、中央ホール「清凉殿」、第4室「平安文学と生活の部屋」、第5室「紫女の部屋」に分かれていた。
ことに、中央ホールには平安宮内裏清凉殿の弘徽殿上御局の実物大復元模型が置かれており、平安博物館のシンボルとなっていた。
代表的な所蔵品としては、源氏物語の最良の写本と評価されている大島本(青表紙本)(重要文化財)があった。

京都府の新博物館建設計画に協力するため、その土地・建物を京都府に譲渡して閉館した。
京都府はその跡地に京都文化博物館を建設した。
財団法人古代学協会は、平安博物館の後継機関として京都文化博物館別館(旧・平安博物館本館)内に古代学研究所を開設した。

[English Translation]