新山古墳 (Shinyama Tumulus)

新山古墳(しんやまこふん)は、奈良県北葛城郡広陵町に所在する古墳時代前期初頭の前方後方墳である。

概要

奈良県西部の馬見古墳群に属し、その郡中でも初期に築造された。
墳丘は前方部を南にむけ、全長約126メートル、後方部幅67メートル高さ約10メートル、前方部幅約66メートルほどの前方後方墳である。
1885年(明治18年)に所有者が植樹の際に穴を掘ったところ後方部にあった竪穴式石室につきあたり、銅鏡ほか多数の副葬品が出土している。

宮内庁によって大塚陵墓参考地として管理されている。

副葬品

銅鏡34面出土、その内に直弧文鏡がある。
この文様は3、4世紀のころに現れた。
直線と弧線を組み合わせて形を作るが、その作図法は極めて難解である。
各古墳の蓋・楯などの埴輪にも表現されている。
銅鏡のうちの変形方格規矩神鏡は、紐の周りを方形に区画した中に十二支の漢字が、文字とは解読できないほど文様化したものになっている。

三葉文を透彫りした金銅・銀製の帯金具は、河北省定県のものが最も古く、2世紀に出現している。
その他に盤龍文系、龍・鳳凰文系、双龍文系、龍文系などがある。
その内、銀製帯具は、江蘇省宜興(ぎこう)県西晋墓その他の六朝期の古墳から出土した銅製帯具と極めて類似点が高い江南からもたらされたものか、その影響を受けたものあった可能性が高い。
年代的には300年前後の製作と考えられる。

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