横大路家住宅 (Yokooji family house)
横大路家住宅(よこおおじけじゅうたく)は 福岡県糟屋郡新宮町上府にある歴史的建造物。
九州最古級といわれる古民家建築で、国の重要文化財に指定されている。
「千年家」の通称をもつ。
茅葺屋根の曲家で江戸時代前期(17世紀半ば)の建築ではないかと考えられているが、明確な建築年代を示す史料は残っていない。
解説
伝承によれば、805年(延暦24年)、日本天台宗の開祖である最澄が唐での留学を終え、当地に上陸し、独鈷寺(新宮町立花口)を開基した際、協力した横大路家の先祖にお礼として法火(法理の火)と毘沙門天像を授けたという。
織田信長の延暦寺比叡山焼き討ち (1571年)の際には、比叡山の法火が消えたため、ここから火を比叡山へ運んだといい、現在でも、火は家の竈にあり、種火が消えないように千年以上も守り続けているという。
住宅は寄棟造茅葺。
東側に突出部をもつ曲家である。
2000年から全面解体修理が行われ、2003年4月に完了した。
部材の仕上げなどから、創建は17世紀半ば頃までさかのぼり、九州地方最古級の民家建築と思われる。
当初は棟をコの字形に造る「くど造」であったが、19世紀前半頃に現在のような曲家となった。
解体修理に際しては庇の瓦、入口の障子戸などを撤去し、19世紀前半頃の姿に推定復元された。
近隣名所
岩井の水
-最澄から授かったという霊水。
この水を飲むと男子を授かるという言い伝えがある。
現在この水は、枯れている。