あんパン (Anpan)
あんパン(餡パン)は、菓子パンの一種で、中に餡が入っていることを特徴とする。
概要
明治時代に日本人の口に合うように発明された日本独自のパンで、つぶあん、こしあん、まれに白あんやうぐいすあんのものがある。
外国から輸入した文化を日本向けに改良した物の例として挙げられる事がしばしばある。
最も典型的な形状は、平たく、円盤のようなもの。
また、芋あんぱん、クリあんぱんなどの豆以外の餡を使ったものや、桜餡や鶯餡を使った季節ものもある。
なお、あんパンの上に振りかけてある粒状のものはゴマと誤解されがちだが、実際はケシの実(ポピーの種)である(芽が出ないように炒ってある)。
揚げパンなどにも、アンパンがあり、トーストに餡を挟んだ揚げパンなどもある。
木村屋(現・木村屋總本店)創業者であり茨城県出身の元士族・木村安兵衛とその次男の木村英三郎が考案し、1874年に銀座の店で売り出したところ好評を博したとされる。
翌年、山岡鉄舟を通して明治天皇にも献上された。
これが新聞や口伝で広まり、あんパンと共に木村屋の全国的な知名度も上がった。
なお、4月4日に明治天皇に献上されたであったことから4月4日はあんぱんの日とされている。
元祖木村屋のあんパンは、パン酵母(ホップを用いたもの)の代わりに、饅頭と同様に日本酒酵母を含む酒種(酒母、麹に酵母を繁殖させたもの)を使い、中心の窪みにサクラの塩漬けを入れており、パンでありながらも和菓子の部類に入れても良いようなものである。
様々なあんぱん
北海道札幌市豊平区月寒では、明治時代後期に、木村屋のアンパンの話を元に月寒あんぱんを作り出したが、製法や実物などの情報がなかったため、パンと言うよりも月餅に近いサイズと食感を持ったものとなった。
当時の陸軍連隊の兵士にとって、重労働の後のエネルギー源としてもてはやされ、それによって出来た道路に「アンパン道路」と名付けるほどだった。
現在では、月寒にある「ほんま」にて販売されている。
青森県北津軽郡板柳町には、川口あんぱんと呼ばれる小麦粉を原料としたカステラ風の生地で白餡を包んだ饅頭状の和菓子が存在する。
これは明治初期に考案されたといわれるが、月寒あんぱん同様、名称以外に詳細な情報が存在しなかったため、既存の製菓技術を用いてオーブンで仕上げた焼き菓子になったと見られる。
福島県須賀川市にはくまたぱんと呼ばれる駄菓子がある。
これは、小麦粉と黒糖で作った生地で餡を包んでオーブンで焼き上げた後、白砂糖をまぶした焼菓子である。
餡の種類
小豆系
つぶあん
こしあん
白豆系
白あん
鶯豆系
鶯餡
その他の餡
イモあん
栗あん
桜餡
1875年(明治8年)4月4日
- 明治天皇に木村屋のあんパンが献上された。