かえし (Kaeshi)
かえしとは「煮かえし」の略された物で、蕎麦汁(そばつゆ)に使われる調味料。
このかえしを出汁で割って蕎麦汁が作られる。
また、ラーメンにおいてもスープで割る前のタレの事をかえしと呼ぶ事がある。
蕎麦のかえし
醤油に砂糖、みりん(場合によっては日本酒など)を加え、しばらく寝かせる事によって作られる。
寝かせるのは、醤油の角が取れ味が熟成される為である。
基本的に材料は一緒であるが作り方によって3種類に分けられる。
本かえし
- 加熱した醤油に砂糖、味醂を加える。
生がえし
- 砂糖、味醂を加熱して水飴状にして、非加熱の醤油に混ぜ合わせる。
半生がえし
- 少量の醤油を加熱して砂糖、味醂を加えた物を非加熱の醤油に混ぜ合わせる。
店毎に作られ、出汁以上に店の味を決定付ける物であることから、店の秘伝とされる事も多い。
なお、つけ蕎麦用にかえしを濃く出汁で割った汁を辛汁(からつゆ)、温かい蕎麦用に薄めに出汁で割った汁を甘汁(あまつゆ)という。
辛汁と甘汁で出汁を変える場合もある。
御膳がえし
かえしにさらに味醂を加え寝かせた物を御膳(前)がえし(ごぜんがえし)または上がえしといい、ざる蕎麦用のざる汁に使われる。
上がえしとも言われる様に、通常のかえしよりも濃厚な上級品である。
しかし現在ではもり蕎麦とざる蕎麦の違いは海苔だけの店が多く、御前がえしを利用したざる汁を出す店は非常に稀である。
ラーメンのかえし
元々は醤油ダレの事であり、チャーシューの煮汁を煮詰めた物を使う店がほとんどであった。
現在は専用に作る店が多く、作り方も店によって大きく異なるが、基本的には出汁の出る物と一緒に煮詰めて作る。
ラーメンの味が増えた事に伴い、味噌ダレ、塩ダレなども含めタレの総称としても使われる。