宗家 (Soke)
宗家(そうけ)とは、下記のとおりである。
ある一族、一門において正嫡(嫡流)の家系。
またその家系の当主。
家制度。
日本において、能楽などの伝統芸能や武術 (日本)などで家元の言いかえとして用いられる称号。
もとは観世流で観世銕之丞家に対して家元家を宗家と呼んだところからおこったもの。
宗家位、宗家号とも。
流派の経営、普及活動及び一門の統率、門下生の教育を旨とする。
流派により宗家自ら師範となる場合、弟子に門下生の指導を委ねる場合とがある。
武術と宗家
日本の武術流派では、明治以前には宗家と言う言葉は使用されておらず、各地の門弟を統率するような存在は無かった。
通常弟子が師匠から免許や指南免許等を得た時点で、独自に門弟を指導し、免許を発行する権利も与えられるのが普通であった。
そのため各地に多くの流派や分派がうまれた。
明治以降は武術も全国組織化する事が多くなり、流派の師範が全国の門弟たちを統率できるようになった。
その結果、宗家制が取り入られる事が多くなった。
宗家と嫡家
いわゆる嫡流の家柄・家系を宗家というが、嫡流でありながら何らかの事情で一族を統率するいわゆる嫡宗権を失った血筋を嫡家といった。
これに対して、庶家であっても嫡流に代わり一族の統率権を得た家系を宗家または本家といって区別した。
具体例では越前松平家の例が著名である。
2代藩主松平忠直が将軍家より輿入れした正室に斬りかかり乱心として配流された。
この越後騒動後、越前松平家の宗家は忠直の弟松平忠昌が継ぎ、嫡流で忠直の嫡男松平光長は嫡家と称されたが、嫡家は嫡宗権を持たず、相応の礼を賜るに留まったというものである。