宝船 (Takarabune (treasure ship))

宝船(たからぶね)とは、七福神が乗る宝物を積み込んだ帆船、または、その様子を描いた図のこと。
新年をあらわす季語でもある。

宝船にはサンゴ・金銀・宝石など、様々な宝物が積み込まれているという。
そのため宝船はおめでたい船とされ、この船に七福神が乗っている様子をかたどった置物などが縁起物として親しまれている。
その帆には「獏」の字が書かれることもある。

また、宝船が描かれた図には以下の回文歌が書かれることがある。
なかきよのとおのねふりのみなめさめなみのりふねのおとのよきかな
(永き世の遠の眠りのみな目ざめ波乗り船の音のよきかな)
そして、正月の2日にその絵を枕の下に入れて寝ると良い初夢を見ることができると言われている。

起源

宝船のようになったのは後世の事だという。
元はもっと素朴なもので悪夢を乗せて流すという「夢違え」または「夢祓え」の船が原形だという(穢れを水に流すという大祓の発想に基づく)。

室町時代には節分の夜か除夜の時人々に船の絵を分け与え、床の下に敷いて寝た後は翌朝集めて流すか、埋めるかしている事から流す物、祓う物と考えていたことが伺える。

鄭和の宝船

中国の明代には、鄭和が東南アジア~アフリカ東海岸への大航海を行った。
船団の中心となったのは鄭和の宝船(ほうせん)と呼ばれる巨大船で、全長120メートルを超える当時としては史上最大の木造船であった。
積載品はまさに宝船といってよい内容であった。
出航の際は寄港地への贈答品として宝石や陶磁器などが積まれ、帰航の際はキリンやライオンといった当時の中国人が知らない珍獣などの貢物が積まれた。

[English Translation]