油揚げ (Aburaage)

油揚げ(あぶらあげ)は、薄切りにした豆腐を油で揚げた食品。
慣用的に「あぶらげ」あるいは「あげ」と略されることもある。
生揚げとは違い薄切りをした豆腐を使用するので内部まで揚がっている。
厚揚げに対して薄揚げとも呼ばれる。
他にも稲荷揚げ、寿司あげなどと呼ぶ地域もある。

薄い豆乳で作った硬い豆腐を、角もち状に薄く切り、110℃から120℃の低温の油で揚げ、さらに180℃から200℃の高温の油で二度揚げしてつくる。
揚げ油には菜種油が良く使われる。
出汁などを吸い込みやすく、袋状なので他の食材を包み込めるなどの特徴があり、さまざまな料理に利用される。

油あげの種類

大きさ、形状、厚みなど、豆腐以上に地域差があるのが油揚げである。

薄揚げ-油揚げ

宮城県の定義山(じょうぎさん)の三角形油揚げ。
(通称三角定規揚げ)

山形県鶴岡市(庄内地方)では、一般に油揚げといえば厚揚げを指し、薄揚げのことは薄揚げまたは皮揚げという。

新潟県長岡市栃尾市地域で作られる豆腐の油あげは、地元では「アブラゲ」と呼ばれ標準的なものよりも厚手である。
また料理の材料とする他、香ばしくあぶった物をそのまま軽食として食べる事が多い。

愛媛県松山市には、松山あげという乾燥した油揚げがあり、保存食として利用される。

福井県坂井市丸岡町地区では、大正時代より現在まで、油揚げがよく食べられている。
かつて、永平寺にも納めていたこともあった。
特に、現在も竹田地区で作られる油揚げは、1枚の大きさ、厚みともに標準的なものよりもかなり大きい。

よく使われる料理

味噌汁

きつねうどん、きつねそば

煮物

炊き込みご飯

寿司(稲荷寿司)

その他

突然大事な物をさらわれる事を例えて「トビに油あげをさらわれる」と称する。

俗に「キツネの好物」とされ、故にお稲荷様には、油揚げを供物する。

油揚げを使った料理は信太・信田(発音は共にしのだ)と関西地方などで呼ばれるが、これは「葛の葉」という伝説にちなんだものである。

[English Translation]