焼肉 (Yakiniku)

焼肉(やきにく)とは、肉を焼網に乗せあぶったり、鉄板などで焼いたりした肉料理。
広義にはステーキ、ジンギスカン鍋、バーベキューなどを含める。
本項では主に「焼肉店」と称される店舗において展開され、肉を焼網などに乗せあぶって食べる料理について解説する。
鉄板で焼く料理に付いては「鉄板焼き」で解説する。

概要

肉を焼く方法には、直火焼き(網焼き、串焼き等)と鉄板焼きとがある。
直火焼きは、焼くときに脂が滴り落ち表面がカリッと仕上がるので比較的さっぱりとした味となる。
また、火で直接炙るので焦げ目がつきやすく、落ちた脂による煙で多少燻されるので香ばしい風味となる。
一方、鉄板焼きは脂が落ちにくい為コクのある味となる。
また、直火で炙られることが無いため水分が飛びづらく、柔らかな食感となる。

日本における焼肉の味付けは、醤油を基本に日本酒、砂糖、ニンニク、ゴマなどを調合して作った配合調味料(焼肉のたれ)を使うものと、塩やコショウ、レモン等で味付けをするものが一般的である。
海外でもTeppanyaki/Yakinikuとして広まりつつある。

種類

日本式だけでなく、韓国式のメニューも含める。

起源

焼肉の起源は日本であると考えられている。
肉を焼いて食べるという基本的な調理法である為に、起源には様々な説が存在するが、2001年のNHK人間講座で「焼肉は韓国文化と思いがちだが、戦後の日本が生んだ食文化である」と放送された。

(朝鮮・韓国における日本起源否定の流れの一つに)別冊BUBKA2006年7月号33ページに「焼肉」の起源は日本であるが、日本発祥といえども始めたのは朝鮮人であるという説が掲載された。
戦前に捨てるか肥料にするかしていた臓物肉を朝鮮人女工がもらってきて焼いて食べたのがホルモン焼きの始まりであり、ホルモンを焼いて食べる習慣は朝鮮にはなく、ホルモン焼きは日本で始まった。
そして戦後、ホルモン焼きの屋台が「ホルモン屋」や「朝鮮料理屋」という名称になって行く中、新宿にミノやセンマイといったホルモンだけでなくロースやカルビなどの精肉を用いる店が出来る。
この在日朝鮮人女性が経営する明月館が焼肉の祖であるとするのが同誌の主張である。
さらに同誌は、「焼肉」と呼称するようになったのは1965年に日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約が結ばれ、韓国籍に移る者が増え、在日朝鮮人の主張した朝鮮料理屋と在日韓国人の主張した韓国料理屋との呼称論争を収拾する案としてプルコギを直訳した「焼肉」が用いられることとなったのだとの説を主張している。

しかし、「焼肉」という語は夙に仮名垣魯文の『西洋料理通』(1872年)にバーベキューの訳語として使用されていること、朝鮮料理の「焼肉」が張赫宙の『権といふ男』(1933年)という小説に登場していることなどから、同誌の主張は疑わしい。
朝鮮起源説の一種と思われる。

最も一般的な説では江戸時代のももんじ屋などでひっそり続いていた焼肉文化が明治維新後に西欧のバーベキューの影響を受けて変化し、更に世界各国に存在する肉を焼く料理(ヨーロッパのステーキ、北米のバーベキューなど)の影響をも受けて変化したのが現在の日本料理の焼肉であるとされている。

食べる人それぞれが好きな肉を自分で焼きタレにつけて食べる日本のスタイルは、関西の食道園が最初に取り入れたとも言われる。

道具

焼網、又は鉄板(穴開き)

普及している無煙ロースターは日本企業の特許である。

焼肉の日

によって毎年8月29日が焼肉の日と制定された(1993年)。

その他

2002年、全国焼肉協会の企画により焼肉のキャンペーンソング「GO!GO!!カルビくん」(作詞・作曲:OK-D、歌:太平サブロー SiSTA)がシングルコンパクトディスクで発売された。
2003年2月時点で売上8000枚(日本経済新聞 2003年2月22日夕刊)。

[English Translation]