粕汁 (Kasujiru (soup made with sake lees))
粕汁(かすじる)とは、出汁に酒粕を溶いた汁物、またはだし汁に味噌と酒粕を合わせたものを溶いた汁物のことで、具材にはにんじん、ダイコン、魚等がよく使われる。
起源詳細は不明だが、酒の神様の祭られている奈良や酒どころ伏見のある京都では古くから広く親しまれている。
上記のように魚類と根菜類の組み合わせが多いが、一部関西では豚肉も好まれる。
また信越地方の一部では野沢菜漬を細かく刻んだもののみを具材とする「菜っ葉のかす汁」が広く好まれているなど地方により具材は様々である。
酒粕には、ビタミン類、炭水化物、アミノ酸等が豊富に含まれていて、体を温める効果があるため、冬の行事などで振舞われることが多い。
また、酒粕がそれぞれの食材の味をまとめ、味に丸みをもたせるため、複雑な食材の組み合わせでも、無難な味にまとめることができるといった特性をもった料理である。
ちなみに、粕汁にはアルコール分が含まれており、2006年9月15日には粕汁2杯を食べて自動車で帰宅していた神戸市の教師が呼気1リットル中、0.15ミリリットルのアルコールが検出されたとして2007年3月に酒気帯び運転容疑で書類送検された事例がある。