襟立衣 (Eritategoromo)
襟立衣(えりたてごろも)は、鳥山石燕の妖怪画集『画図百器徒然袋』にある日本の妖怪。
概要
天狗の首領である日本八大天狗の1人、鞍馬山僧正坊の身に纏っている僧衣の襟立衣が妖怪化したものとされる。
衣に目や髭が生じ、尖った襟が鼻となった姿で描かれている。
鞍馬山僧正坊はもとは人間の高僧であった。
修行途中にもかかわらず悟りを得たと思い違えために死後も成仏できなかった。
驕りの代名詞ともいえる天狗に生まれ変わったとする説がある。
天狗となってもなお僧の位階に固執するかのように僧衣を身に纏い続けた。
この僧衣は、いわば彼の驕り高ぶりの証ともいえる。
この驕り高ぶりの業、もしくは何らかの霊の憑依によって衣から変化したものが、妖怪の襟立衣とされる。