象引 (Zohiki (Pulling the Elephant))

象引(ぞうひき)は、歌舞伎の演目の一つ。
また、歌舞伎十八番の一つ。
元禄14年(1701年)、江戸中村座で市川團十郎 (初代)が初演(『傾城王昭君』の一幕)。

叛臣蘇我入鹿が連れてきたゾウを、藤原鎌足の家来山上源内左衛門が引きあってついに奪いとる、という粗筋。
源内左衛門の怪力を描いて、典型的な荒事の芸である。

蘇我入鹿と山上源内左衛門の設定が、大臣・大伴褐麿と箕田源二猛になる場合がある。

長らく上演が絶えていたが、1913年に市川左團次 (2代目)(平木白星作)、1933年に市川三升 (5代目)(山崎紫紅作)、1958年に前進座(平田兼三郎作)、1982年に尾上松緑 (2代目)(利倉幸一作)が復活上演している。
現在では松緑版が中村富十郎 (5代目)などに引継がれている。

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