重箱 (Jubako)
重箱(じゅうばこ)とは、二重から五重に積み重ねられた、料理を入れる箱である。
四季を表す四重が正式とされる。
四段目は四の字忌避で「与の重」と呼ぶ。
形状は四角が一般的であるが、円形や六角形、八角形のものもある。
今日では主に、正月の御節料理、花見や運動会などの弁当、また、鰻重の容器に使われる。
歴史
室町時代の文献の中に既に「重箱」の記述を見ることができるので、その歴史はかなり古いと考えられる。
一般庶民に普及したのは江戸時代(1610年)で、本格的に重箱が製造されてからである。
武家や大名のもとでは、漆塗や蒔絵の豪華なものも作られた。
また、狩りなどに出かけるときに持ち運びに便利なものも使用された。
最近は、ポリプロピレンなどの新素材による容器(いわゆる弁当箱)が普及し、目にする機会は次第に少なくなってきている。
中国の食籠(じきろう、六角形や八角形の重ねて使用する容器)が語源。
種類
木製の物や漆器、合成樹脂などの素材で作られることが多い。
なかには紙製のものや、陶磁器で作られたものなどもある。
美術品としては尾形光琳の「蒔絵梅椿若松図重箱」などが有名。
産地
漆器で作られた重箱はその産地により、名称が異なる。
ことわざ
重箱の隅を楊子で穿(ほじ)くる。
重箱の隅を穿くる(「重箱の隅をつつく」ともいう)。