鏡板 (Kagami-ita)
鏡板(かがみいた)は、能舞台の正面、右側面の羽目板である。
概要
正面のを「正面の鏡板」と、右側面のを「脇の鏡板」とを区別することがある。
前者には老松を、後者には若竹が描かれることが多い。
前者は春日神社の「影向の松」を写したものとされている。
後者はやや後世の創案である。
建物舞台ができた後にマツに対応させたものである。
江戸時代には御絵所狩野家の承るところとなり、江戸城本丸表舞台の鏡板絵を構図の範として描くようになった。
東京九段の靖国神社(旧紅葉山)舞台は京都の某画家、東京麹町富士見町の細川公別邸舞台は近藤樵仙、東京浅草南元町の梅若宗家舞台は土屋秀禾、鎌倉笹目谷の鎌倉能楽会舞台は平福百穂による。