鳴釜 (Narikama)
鳴釜(なりかま、なりがま)または釜鳴(かまなり)は、鳥山石燕の妖怪画集『百器徒然袋』にある日本の妖怪。
付喪神(器物が変化した妖怪)の一種。
概要
釜をかぶった毛むくじゃらの姿の妖怪が、絵馬を手にして吉凶を占っているような姿で描かれている。
岡山県の吉備津神社 (岡山市)の鳴釜神事が由来とされる。
同神事は、かつて吉備津彦命に討たれた温羅が人々に託宣を下す神となり、釜の音で吉凶が告げられるようになったことが始まりという説がある。
妖怪の鳴釜はこの伝説をもとに、温羅を釜の付喪神として描いたものだといい、釜を妖怪視して描いたとの説もある。
上記の話と同様に、釜の音で吉凶を占う話は他にもある。
ある農民が石櫃に入った釜を掘り出した。
その釜でお湯を沸かすときに音が鳴ることがあり、その日はいつも雨が降った。
それから天気を当てる釜として有名になったという。
また室町時代の『百鬼夜行絵巻』にも釜の妖怪が描かれており、これがモデルになったともいわれている。