黄櫨染御袍 (Korozen no Goho (黄櫨染御袍))
黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)とは、天皇が重要な儀式の際に着用する束帯装束の和服用語集のことである。
この名前は染めてある色名からであり、「黄櫨染」とは黄色の中に赤を混ぜた色で今の黄土色に近い色のことである。
概要
820年(弘仁11年)に嵯峨天皇の詔により制定した。
中国の赭黄袍を起源としている。
(それ以前の天皇の袍は白色であったと推定されている)
なお中国では隋以降、戎服(唐の常服。日本の朝服に相当するもの。束帯はこれが和様化したもの)では黄色が尊い色とされ、唐の時代になって、赭黄袍は皇帝専用となった。
黄櫨染は、天皇以外決して使用することができない色で「絶対禁色」と呼ばれた。
真昼の太陽の色を象徴したものでもある。
この黄櫨染の袍には「キリ」「竹」「鳳凰」「麒麟」の4種類の文様が記されていて、長方形の筥形文となっている。
現代においても即位の礼の中での最重要の儀式「正殿の儀」や宮中祭祀の四方拝等で着用されている。