龍笛 (Ryuteki flute)
龍笛(りゅうてき)とは、雅楽で使う管楽器の一つ。
吹き物。
龍笛は竹の管で作られ、表側に「歌口(うたぐち)」と7つの「音孔(ゆびあな)」を持つ横笛である。
能囃子、篠笛など和楽器の横笛全般の原型・先祖であるとも考えられている。
雅楽の楽器の中では2オクターブという広い音域(E5~D7)をもつ。
低い音から高い音の間を縦横無尽に駆け抜けるその音色は「舞い立ち昇る龍の鳴き声」と例えられ、それが名前の由来となっている。
龍笛は古くから貴族や武将に好まれた。
堀河天皇や源義経、源博雅(みなもとのひろまさ)などの、龍笛にまつわるエピソードはいくつも伝えられている。
また、清少納言も『枕草子』の中で、「楽器の中では、笛がとても良い」と書いている。
合奏では、主旋律を篳篥が担当し、龍笛はその音域の広さを活かし、主旋律に絡み合うように演奏する。
また通常、楽曲の最初の部分は龍笛のソロ演奏となっている。
このソロ演奏は、その楽曲の龍笛パートのリーダー(音頭、または主管とも呼ぶ)が担当する。
龍笛はシルクロードを伝わって、ヨーロッパでフルートになったといわれている。