おみくじ (Omikuji (Written Oracles))
おみくじ(お神籤・お御籤・お仏籤・御神籤・御御籤・御仏籤・おみ籤またはみくじ・神籤・御籤・仏籤(みくじ))とは神社・寺等で吉凶を占いために引くくじである。
「みくじ」は「くじ」に尊敬語の接頭辞「み」をくわえたもので、漢字で書くときは「御籤」とするか、神社のものは「神籤」、寺のものは「仏籤」とする。
ただし厳密には問題があるが、区別せず「神籤」とすることもある。
歴史
古代においては国家の政治に関する重要な事項や後継者を選ぶ際に神の意志を占うために籤引きをすることがあり、これが現在の神籤の起源とされている。
現在の神籤は参詣者が個人の吉凶を占うために行われるもので、これは鎌倉時代初期から行われるようになった。
当時は自分で籤を用意するのが一般的であった。
奉製・籤引き
現在、おみくじの7割近くは女子道社(山口県周南市)によって奉製され、英語版はハワイなど外国への輸出も行われているが、各神社寺院独自で奉製しているところもある。
籤引きの方式には色々あるが代表的なものは
御神籤箱という、細い棒の入った両手で抱えられる程度の(神社によっては抱えられないほど巨大なものもある)大きさ・重さの角柱・円柱形の筒状の箱を振って棒を箱の短辺の小さな穴から一本出し、棒に記された番号の籤を受けとる
折り畳まれた籤が入った箱の中から参詣者が選ぶ
自動販売機(頒布機)に発売金額分の硬貨を投入して得る
女子道社がおみくじの自動販売機の実用新案を登録したのは大正期のことであった。
紙片には運勢の概要が「大吉・吉・中吉・小吉・凶」など(多い所では「大吉・吉・中吉・小吉・半吉・末吉・末小吉・凶・小凶・半凶・末凶・大凶」など。
最近では書かれている運勢が「大大吉」や「大大凶」がある寺社もある)の吉凶の語句で書かれ、探し物・待ち人・健康・金運・生活等の個別の運勢が文章で記されている。
運勢の説明に和歌を添えたり、全体の運勢を和歌で表現している神社(明治神宮など)もある。
また寺のくじでは漢詩が添えられていることもあり、これは「元三大師百籤」がルーツになっているためである。
神籤に吉凶の語句が記されず、運勢の説明文・和歌等のみが御籤に記されている寺社もある(滋賀県の多賀大社など)。
引いた後の神籤を境内の木の枝などに結ぶ習慣がある。
「結ぶ」が恋愛の「縁を結ぶ」に通じることから江戸時代から行われてきた。
その後、神様との「縁を結ぶ」として木に結びつけられるようになった。
二月堂のように千枚通しのようなものに神籤を刺すところもある。
また、「凶のおみくじを利き腕と反対の手で結べば、困難な行いを達成つまり修行をしたことになり、凶が吉に転じる」という説もある。
だが近年、木に結ぶと成長が悪くなるため、参拝者が神籤を結ぶために、2本の木の柱の間に張られた縄を用意している寺社もある。
おみくじの吉凶の量の比率は神社仏閣によって様々であり、近年は凶を減らすところもある。
ただし、吉凶よりも運勢の説明で何が語られているかが大切であるとされる。