からかさ小僧 (Karakasa-kozo (A Japanese popular monster))

からかさ小僧(からかさこぞう,唐傘小僧)は、古い傘が変化した妖怪。
「から傘おばけ」「傘おばけ」「傘化け(かさばけ)」などとも呼ばれる。

概要

水木しげる原作の「ゲゲゲの鬼太郎」の影響もあり比較的有名な妖怪である。
一般的には、軸を下にしてたたんだ状態で表現される。
傘の軸が1本であることからこの妖怪も一本足で飛び跳ねるようにして移動する。
足に下駄を履いている場合もある。
傘の部分が顔になっており、目が一つついている。

この妖怪は特に悪さをしないのが特徴である。
暗くなってから家の周りを飛び跳ね、人に出会うと大きな赤い舌を出して驚かす。
これだけで十分迷惑な存在ではある。
しかし、直接危害を加えるわけではないので、妖怪の中では危険度の低い存在ではある。
余談だが、とぼけてよく舌を出して笑う。
こうした性格や行動によく似た妖怪には、ほかに一つ目小僧が存在する。

一般に、悪さをしないと言われているが、鳥取県溝口町(現・西伯郡伯耆町)に出現する「幽霊傘」(ゆうれいがさ)という妖怪は例外のようである。
姿はからから小僧と同様に一つ目一本足だが、強風の吹く日に人を大空に舞い上げると言う。

妖怪探訪家・村上健司は、この妖怪はよく知られている割には実際に現れたという記録はないとし、絵画などにのみ存在する妖怪として分類している。

人間の生活で使用する道具には、年月を経て古くなると変化(へんげ)する能力を持つこともあるという考え方がある。
これを付喪神(つくもがみ)といい、この妖怪もその一例である。

写真に写っているフィギュアのからかさ小僧は映画「妖怪百物語」に登場した典型的な姿である。
頭が弱い悪徳商人の息子である新吉が自分の部屋の壁に画いたからかさ小僧の落書きが、踊りながら壁から抜け出たと同時に笑い声と共に実体化して誕生した。
新吉の顔を長い舌で嘗めながら共に戯れるシーンはこの映画での唯一のユーモラスなシーンとなっている。

[English Translation]