かるた (Karuta)
かるた(歌留多、加留多、嘉留太、骨牌)は、絵札を使う競技の一種。
その名称はポルトガル語で手紙、あるいは紙板状のもの、トランプなどを意味するcartaに由来する。
元々はトランプなどのカードゲーム一般を指した。
現代日本では、花札か、後述する読み札にあわせた絵札をとってその枚数を競う競技を意味するようになった。
歌がるたともいわれる百人一首の場合、読み札には短歌が書かれ、取り札には下の句が書かれている。
道具
読み札・取り札ともに、五十音に対応しており、一音につき一セットの読み札・取り札が用意されている。
読み札
- ことわざなどの短いフレーズが書いてあり、読み人(多くは大人)が声に出して読む。
取り札
読み札の内容を描いた絵と,読み札のフレーズの最初の音がひらがなで目立つように書いてある。
これを読み札を読むのに合わせて取り合う。
ルール
2人以上で行う。
取り札を平面(畳の上が多い)に広げ、取る人に見やすくする。
読み人が読み札を読む。
できるだけ早く、読み札に合った取り札を叩く(はじく、または押さえることもある)。
先に叩いた方がその札を手に入れる(札を取る)。
全ての読み札、取り札がなくなるまで繰り返す。
より多くの取り札を取った方の勝ち。
子供が文字を覚えるための遊びでもある。
起源
語源はポルトガル語だが、同様の遊戯は日本とポルトガルとの接触前からあったものと考えられている。
元々は、平安時代の二枚貝の貝殻をあわせる遊び「貝覆い(貝合せ)」である。
これとヨーロッパ由来のカードゲームが融合し、元禄時代頃に今日の遊び方となった。
古典的ないろはかるた
旧仮名遣いのいろはの五十音に対応したものが、最も古典的で有名である。
ことわざを使っているが、内容は地域によって違う。
例えば上方(京、大阪など)や江戸、尾張でも異なる。
そこには地方の特色が表れている。
「犬も歩けば棒に当たる」で始まるものは、江戸版である。
以下に示すものは伝統的な札である。
2008年現在市販されているものには、一部の札が差し替えられているものもある。
江戸いろはかるたの場合では、表現が難解あるいは死語となっていればそれがなされた。
たとえば、「月夜に釜を抜かれる」は「月とすっぽん」に変えられた。
「総領の甚六」も「損して得取れ」に変えられた。
「芋の煮えたもご存じない」「子は三界の首かせ」も同様に差し替え対象となった。
また下品な表現が含まれる場合も同様であった。
例えば「屁をひって尻すぼめる」は「下手の長談義」に変えられた[上方からの流用]。
更に、差別的ニュアンスがある場合も差し替えの理由となった。
「良薬は口に苦し」はもともとは旧仮名遣いの「れうやく」、「れ」の札だったが、現代仮名遣いの「りょうやく」、「り」の札に配置変更され、元の「り」の札、「律義者の子だくさん」が不採用となったこともある。
こういった時代に合わせた変化については賛否両論となっている。
その他のいろはかるた
日本各地に、その地方の伝統や名物などを読み込んだいろはかるたがある。
代表的なものに、群馬県全域で親しまれている上毛かるたがある。
それ以外にも北海道弁かるたや津軽弁かるたなど、各地方でCD付きの方言かるたも発売されている。
他に、子供向け商品として漫画やアニメのキャラクターを用いたかるたも多く市販されている。
文学のかるた
金色夜叉