なぎ (Nagi)
なぎとは平坦な安定した状態をあらわし、古語でもある。
「なぎ」という発音が先にあり、あとから様々に漢字が当てられた。
意味のあるものとしては、和ぎ・凪・薙ぎとも表記する。
反対語として荒れや波や起伏がある。
概要
和ぎ・凪・薙ぎと表記したときの意味合いの別。
「和ぎ」とは、和やかであり穏やかであり、おもに心情や情勢に用いられる。
「凪」とは、和ぎと同意でもあるが、現在では、風が無く穏やかな波のない海の状態をさす場合が多い。
また、数少ない国字(和製漢字)であり風が止まっている状態をあらわしている。
「薙ぎ」とは、山が崩れ平らになりつつある状態や、草木を刈った平坦な野原をさす。
だが、横に打ち払う(薙ぎ払う)という意味もあり。
そのことから神事としての祓い清めを意味する。
また薙の神事が日本各地にあり、内陸地方での嵐や大風を鎮める行為とされる。
珍しい文字では「𡵢(なぎ)」があり、崩れという意味から薙ぎの当て字である。
「なぎ」には、様々な漢字表記がある。
同音異句の樹木や山・地名としても多く使われている。
だが、ほとんどが日本の神道や神話や、古神道における信仰の場所に、係わるものである。
神社の名や日本の神の名の一部として使われている。
神籬
神籬(ひもろぎ)とは、木や枝葉の依り代のこと。
古くは岩や山や森林や大木を信仰の対象とした。
現在は神木と儀式用の榊をさす場合が多い。
岩や山の依り代は磐座(いわくら)という傾向にある。
南木(なぎ)楠(クスノキ)のことで、南木(なぎ)と名づけ神木として祀っている神社がある。
梛(なぎ)那木・竹柏とも表記し、ナギという樹木のこと。
ナギがなぎ(和ぎ)に通じることから、神籬(儀式の依り代としての枝葉の意)として使われる。
榊(なぎ)サカキのことで、「なぎ」ともよばれる。
神籬として使われる。
日本の神話・神社
「イザナギ」・「アワナギ」・「ツラナギ」・「ナギナミ」の「なぎ」には、蕩・諾・名杵・那岐・那芸などの字が充てられる。
また「ヤマトタケル」が使う三種の神器として草薙剣がある。
なぎ神社は日本各地にあり、下記のように表記するものがある。
梛神社
諾神社
那岐神社
南木神社
名木神社
地名
上記の漢字表記のほか、奈義・奈癸・奈岐・名義などの地名としての「なぎ」や様々な漢字表記の「なぎ川」や「なぎ山」が存在する。