なら燈花会 (Nara Tokae Festival)
なら燈花会(ならとうかえ)は、1999年から毎年8月上旬(10日間)に、奈良市(奈良公園一帯)で開催される燈花と呼ばれるろうそくを使用した行事。
燈花とは、灯心の先に形成される花の形をしたろうの塊のことでである。
仏教においてこれを縁起の良いものとすることに由来して「燈花会」と命名されている。
期間中は世界遺産に囲まれた奈良公園一面にろうそくを並べる。
幻想的かつ神秘的な雰囲気が演出され、奈良における夏の風物詩として定着した。
当初のろうそく使用本数は一日当たり約1万本だった。
だが、年々増加し、2007年には約2万本を使用。
開催エリアは下記である。
奈良市内の各自治会や商店街がこの期間独自で燈花会を開催することがある。
2007年は計20カ所に及ぶこととなった。
1999年の第1回目以降来場者は年々増えている。
近年は毎回約70万人の来客を数える、夏の大イベントに成長している。
ろうそくとカップ
当初のろうそくは、通常のパラフィンを使用した一般的に市販されている材質の物によるフローティングキャンドルであった。
だが、2003年頃に、自然環境に優しいパーム油脂を使用し、万が一鹿が口にしても安全な天然由来素材を使用した物に変更した。
この天然由来のろうそくは煤がほとんど出ないため、結果的にろうそくを受けるカップの清掃作業回数も削減された。
また、ろうそくの形状も燈花会のロゴをモチーフにした物となった。
2005年からは、カラーカップも使用し、色に因るデザイン化も図っている。
カップも当初使用の物は順次交換している。
現在使用している大半の物は不燃材料を使用した「燃えないカップ」になり、更なる安全対策を施した。
(当初から不燃性カップです。)
運営
NPO法人「なら燈花会の会」が主体となって運営されている。
全員がボランティアで構成されており、会員は約150人程度である。
当日の火付け点灯・後かたづけなどを行う当日の「登録サポーター」は一日当たり200人から300人前後である。
このため、合計一日当たり400人、延べ4000人程度のボランティアで運営している。
年々、ボランティアの数も増加の傾向にある。
開催エリア
浮雲園地会場
春日野園地会場
東大寺鏡池会場(13日・14日のみ)
浅茅ケ原会場
浮見堂会場
奈良国立博物館前会場
興福寺・猿沢池と五十二段会場
春日大社参道会場(14日のみ)
イベント
早咲きの日 - 開催日前日に行う高齢者や障害者限定のプレイベント。
火入れ式
一客一燈 - 客が自分でろうそくに火を燈し、並べることができる(500円)。
ほのあかりライブ - 様々な楽器演奏者や声楽者を招きろうそくの明かりに囲まれて行うライブ。
なら燈花会能 - 奈良県新公会堂能楽ホールで開催。
同時期近隣行事
ライトアッププロムナード・なら 7月1日(火)~10月31日(金
春日大社中元万燈籠 8月14日(木)・15日(金)
東大寺万燈供養会 8月15日(金)
奈良大文字送り火 8月15日(金) 2000点火
元興寺 地蔵会万燈供養 8月23日(土)・24日(日)
受賞歴
2001年
環境省 かおり風景100選
2003年
国土交通省 全国地域づくり団体 国土交通大臣賞受賞
(財)地域活性化センター 第7回ふるさとイベント大賞 産業・環境部門賞受賞
交通アクセス
近畿日本鉄道近鉄奈良駅より東へ徒歩5~15分。
西日本旅客鉄道奈良駅より三条通りを東へ徒歩15~30分。
奈良交通市内循環バス外回り「氷室神社・国立博物館」・「大仏殿春日大社前」下車。