ビジット・ジャパン・キャンペーン (Visit Japan Campaign)

ビジット・ジャパン・キャンペーンは、外国人旅行者の訪日促進活動である。
国土交通省が中心となって行っている。

概要

「ビジット・ジャパン・キャンペーン実施本部」は2003年4月1日に発足した。
国土交通大臣が本部長となり、関係省庁および民間団体・企業が参加している。
このキャンペーン実施本部が海外諸国での日本旅行の広報や、国内における外国人旅行者向きインフラストラクチャーの整備などを行っている。

キャンペーンが開始される前年度(2003年度)には、日本人海外旅行者数が1,652万人であった。
これに対し、訪日外国人旅行者数は524万人であった。
この格差を是正すべく、2010年までに、年間で1,000万人の外国人が訪日することを目標としている。
ちなみに最新の2007年には834万人になり過去最高を記録。

背景

2002年に閣議された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」は、国土交通省に対し、2003年より外国人旅行者の訪日を促進する戦略を構築すべしという課題を示した。

そこで国土交通省が策定したのが「グローバル観光戦略」である。
この「グローバル観光戦略」は、具体的には以下の4戦略から構成されている。

「外国人旅行者訪日促進戦略」

より多くの外国人の日本への来訪を促すために、調査等を行い市場を見極めると同時に、それらのニーズに応じた旅行商品を開発し、それらを海外で広報する。

外国人が訪日しやすいように旅行査証取得の負担を軽減したりする。

「外国人旅行者受入れ戦略」

外国語で書かれた案内など、外国人旅行者に向けたインフォメーションの整備を行う。

観光地などで外国人旅行者を歓迎する雰囲気の醸成を行う。

「観光産業高度化戦略」

観光産業をさらに発展させていくために、新たな観光事業の展開を図る事業者への支援を行ったり、観光関連産業の連携強化を支援する。

「推進戦略」

これらの戦略を、官民が連携しつつ推進する。
各施策の目標達成度を常に測り、新たな戦略を構築して行く。

ビジット・ジャパン・キャンペーンはこの中の「外国人旅行者訪日促進戦略」の一貫として行われている。

「YOKOSO! JAPAN」

「YOKOSO! JAPAN」はビジット・ジャパン・キャンペーンのロゴタイプに書かれているスローガンであり、外国人訪日旅行者への歓迎を表現したものである。

キャンペーンの一貫として行われているイベントのタイトルとしてもこのスローガンが用いられている。
また、ロゴマークは各種の資料やポスター、航空機の機体ペイントなどに用いられ、キャンペーンの告知を助けている。

イベント

イベントの中で最も大規模なものは、2005年より毎年行われている「YOKOSO! JAPAN WEEKS」である。

これは、正月の期間、東アジアからの訪日旅行者を対象に、冬の日本の魅力などを広報し、集客の拡大に努めているものである。

国内においては、協賛企業を募り、訪日旅行者に対して各種の優待・割引を斡旋したりする。
また各種言語に対応する案内書の作成やコールセンターの開設などで訪日旅行者が観光しやすい環境作りを行っている。

広報担当者

ビジット・ジャパン・キャンペーンの広報役として、国内外の芸能人に対して観光親善大使を任命し、イベントなどを行っている。

観光広報大使:木村佳乃(2004年度より)

台湾親善特使:S.H.E(2003年度)

台湾親善大使:林志玲(2004年度~2006年度)

台湾親善大使:賴雅妍(2007年度より)

アメリカ合衆国親善大使:PUFFY(2005年度)

香港親善大使:四大天王(陳奕迅)(2005年度)

香港親善大使:イザベラ・リョン(zh梁洛施)(2006年度)

香港親善大使:フィオナ・シット(zh薛凱琪)(2007年度)

ようこそ!ジャパン応援団(サポーター):美勇伝

ビジット・ジャパン・キャンペーン韓国観光親善大使:ユンナ(Younha)(2007年度)

訪日促進重点国・地域

ビジット・ジャパン・キャンペーンでは、訪日者の増加が見込める国や地域を「促進重点国・地域」と定め、それぞれの国や地域の特性に合わせたPR活動を行っている。

2003年度:韓国、台湾、米国、中華人民共和国、香港

2004年度:イギリス、ドイツ、フランスを追加

2005年度:タイ王国、シンガポール、オーストラリア、カナダを追加

観光ビザの緩和

2004年度には、韓国・中国からの修学旅行生に対して短期滞在査証(観光ビザ)の免除を、台湾からの修学旅行生に対しては短期滞在査証の手数料の免除を行った。
また、香港からの観光客に対しては短期滞在査証の免除を開始した。

2005年に開催された「2005年日本国際博覧会」開催期間には、韓国・台湾からの訪日観光客に対して、短期滞在査証の免除を行った。
その後も免除措置を延長・恒久化した。
また、中国に対しては、それまで限られた3市5省のみに発給していた団体観光査証の発給対象地域を全土に拡大した。

[English Translation]