他人丼 (Tanin-don)

他人丼(たにんどん、-どんぶり)とは、牛肉もしくは豚肉を、玉ねぎなどと割り下で煮て卵でとじ、丼飯の上に乗せた料理である。
丼物の一種である。

概要
基本的には親子丼と同じ調理法を用いて作られる。
親子丼が鶏の肉と鶏の卵を使うことに対し、鶏肉以外の肉(牛肉・豚肉)を使用する事(他人の肉を使用する)から名づけられた。
他人丼の具材をかけうどんに乗せた他人うどんもある。

名称の違い
主に関西地方では牛肉を使用したのを「他人丼」と呼ぶ。
その他の地域の場合、大抵は豚肉を使用したのを指す。
関東地方の場合、牛肉を使用したのを「開化丼」と呼ぶ。
これは牛肉は牛鍋に示されるように文明開化の象徴であり、「他人」とは粗末な呼び方だという考えがあったからである。
ただし、店によっては「開化丼」と称しても豚肉を使用したのが出されることもある。
これは、開化丼は他人丼の別名と解釈されているからと推測される。

そもそも「他人丼」という名称は関西が起源である。
関西人の「他人は他人」と割り切った気質が表れている。
吉野家などの牛丼チェーンが関西に進出するまでは、牛肉の丼といえば「他人丼」であった。
今でも、うどん屋や食堂ではメニューに牛丼がなくても、他人丼はある事が多い。

地方の食堂では鶏肉を用意する手間の関係で「親子丼」と称して、実際には炒め物に使う豚肉などを利用して「他人丼」が供されることがしばしばある。

[English Translation]