公家悪 (Kugeaku (a noble villain in Kabuki))
公家悪(くげあく)は歌舞伎の役柄の一つで、皇位を奪おうとする身分の高い貴族(公家)を表している。
頭に金冠を被り白衣を纏う。
「王子」とよばれる長髪をデフォルメした鬘と鬚鬘とよばれる顎鬚をつけている。
隈は「公家荒れ」と呼ばれる青系統のものである。
超人的な力を持ち権力を操り天下を狙うので上記のような扮装で巨悪を表現する。
また、見得をする時も真っ赤な舌を出してグロテスクさを強調する。
江戸中期に活躍した歌舞伎役者初代中島三甫右衛門によって大成された。
近代では五代目中村歌右衛門・八代目阪東三津五郎・十三代目片岡仁左衛門などが公家悪に優れた演技を示していた。
代表的な公家悪
『暫』の清原武衡
『菅原伝授手習鑑』の藤原時平
『妹背山婦女庭訓』の蘇我入鹿