化け草履 (Bakezori (apparition turning into thonged sandals))
化け草履(ばけぞうり)は、日本に伝わる付喪神の一種で、草履の妖怪。
概要
妖怪漫画家・水木しげるによる妖怪画では、大きな草履に手足が生え、鼻緒の付近に目玉が一つと、その下に口がある妖怪として描かれている。
九十九年使われた草履に魂が宿り、百年目に妖怪と化したとされる。
仕事は主に捨てられた履き物に宿った霊の整理だが、履き物を粗末にする人間の家に懲らしめにくることもあるという。
民話研究家・佐々木喜善の著書『聴耳草紙』には、履き物を粗末にする者の家で、夜間に履き物が化け物となって「カラリン、コロリン、カンコロリン、まなぐ三つに歯二ん枚」と歌い出したという怪異がある。
水木しげるの著書においてはこれが化け草履の逸話とされている。
しかし、原典の『聴耳草紙』では単に「履き物」とのみ述べられており、草履かどうかという疑問が残る。
そのため、この「履き物」が草履かどうかは定かではなく、草履ではなく下駄の話だとする指摘もある。
作家・村上健司はこれを民間の伝承ではなく、教訓のために作られた昔話とみている。